目が覚めれば見覚えがある天井だった。
体を起こし、少し呆けていればベットの下を蔦が這う様に成長して緑の面積を増やしている。
いつもこうだと、アカリはため息を漏らした。

チャクラが漏れて植物の成長を促しているのか、はたまた眠っている間に木遁(草なので草遁？)の技を編み出しているのか

｢未だに解らないのよね｣

それは本人にも分からない。
ただ、まあ不気味な程白い部屋にいるよりはマシかと、いつも対処策を考えないでいる。
蔦は床や壁を伝い這うだけで攻撃してこないし、毒も撒かない。
たまに白い花を咲かすだけ

｢白い、花｣

そう、白い花。
何時かは覚えていないが花を褒めてくれた人がいた。
蔦が勝手に這う部屋を驚く様子もなく、咲いた花を綺麗だと

そう言った彼の名は・・・

｢ミナトさん、｣



｢呼んだ？｣

ひょこっと自分の顔を覗いたミナトに思い出に耽っていたアカリは固まった。

｢え？、あれ、何で老けてないんですか｣

記憶と変わらぬ姿のミナトの顔を掴み、アカリはじっと見つめる。
アカリの疑問を解決したのは後からの声だった。

｢今回の眠りは浅かったのでしょうな｣

｢先生！｣

良かった、死んでない等とさらりと言うアカリはベットの側に立っていた三代目の方に体を向ける。

｢眠ってまだ一日しか立っておりません｣

｢だから、老けてないのね！｣

話が見えてこないミナトはただ頭に？を浮かべるだけだが、アカリはとても嬉しそうな顔をしていた。
そんなアカリに釣られ微笑んでいる三代目であったが、急に表情を真剣なものに変える。

｢昨日の誘拐で明らかにアカリが目覚めた事が他国にバレておる｣

｢はい・・・｣

｢わしはアカリが嫌がる事はしたくはないがそれよりもアカリには傷付いてほしくない｣

｢はい、｣

｢今日からアカリに護衛を付ける｣

護衛を付けると言われ、アカリは表情を落とした。
暗いアカリを見てミナトは苦笑いを浮かべる。

｢そんなあからさまに嫌がられると傷付いちゃうな、俺が｣

｢・・・え？｣

ミナトの言葉に俯いていた顔を上げて呆けた顔をするアカリ。
そんなアカリの頭をよしよし、とまるで慰めているのか優しく撫でる。

｢今日からアカリちゃんの護衛任務に就く事になりました波風ミナトです。よろしくね｣

｢あ、はい！よろしくお願いします

？！！｣