寂しがり屋な娘の話
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その日はとても良い天気で、里の門を警備する者たちの気が緩んでしまう程だった。
そんな日の正午頃だ。
高い櫓から森と空を見張りしていた者が声を上げる。
「あれは何だ?!」
その上がった声にその場にいた者達が一点を見つめていた。
黒い"点"だ。
澄み切った青に浮かぶ一つの点。
黒い点が此方へと近付いてくる。
敵か、味方か、遠すぎてどちらか判断つけにくい。
警備の者達は焦る事も騒ぐ事も無かったが何も出来ず近付く点を待っていた。
肉眼ではっきりと点が見えたのはそこからすぐ、点はやはり丸く黒い点。
「あれは何なんだ」と声が上がりだしたまた誰かが驚く声を上げた。
点が崩れ出したのだ。
バリバリと音が聴こえそうな剥がれ方で、点が剥がれ丸みを失っていくと同時に何かが崩れかけの点から零れた。
剥がれた破片と共に落ちる何かを櫓にいた一人が双眼鏡を使い確める。
落ちていたのは人だった。
漆黒の長い髪を体に絡ませながら地面へ向かって落ちていく。
見張りをしていた者達は数人を残し、人が落ちた地点へと駆け出す。
木々へ飛び移り、殆ど形が残っていない点を見上げ位置を確かめながら駆けた。
暫くすると視界が開け、木々がなくなる。
ぽっかりと開いた森の広場。
その中心に横たわる黒い者。
今の季節に相応しく青々とした原っぱで不自然にも黒い者が横たわった場所だけが草が伸び茶色く枯れていた。
その者が使う術なのかという事も考えながら駆けつけた者達は少しずつ距離を縮める。
そして一人が横たわる者の肩を掴み起こした。
少女と言うべきか、女性と言うべきか、その似ている様で全く別のモノである雰囲気を彼女は持っていた。
額には何処の里の者か分かる額宛もなく衣服は白い着物で、腕は武器を持つには細い、細過ぎる。
彼女を起こした男は声をかけた。
何処の里の者か、
名前は、
だが彼女は彼の質問に答える事なく、その蒼い瞳を少し開いて
「また枯らしちゃった。
ごめんね」
と、自分の視界に広がる干し草と化した原っぱを見て呟くと、そのまま意識を飛ばしたのであった。
そんな日の正午頃だ。
高い櫓から森と空を見張りしていた者が声を上げる。
「あれは何だ?!」
その上がった声にその場にいた者達が一点を見つめていた。
黒い"点"だ。
澄み切った青に浮かぶ一つの点。
黒い点が此方へと近付いてくる。
敵か、味方か、遠すぎてどちらか判断つけにくい。
警備の者達は焦る事も騒ぐ事も無かったが何も出来ず近付く点を待っていた。
肉眼ではっきりと点が見えたのはそこからすぐ、点はやはり丸く黒い点。
「あれは何なんだ」と声が上がりだしたまた誰かが驚く声を上げた。
点が崩れ出したのだ。
バリバリと音が聴こえそうな剥がれ方で、点が剥がれ丸みを失っていくと同時に何かが崩れかけの点から零れた。
剥がれた破片と共に落ちる何かを櫓にいた一人が双眼鏡を使い確める。
落ちていたのは人だった。
漆黒の長い髪を体に絡ませながら地面へ向かって落ちていく。
見張りをしていた者達は数人を残し、人が落ちた地点へと駆け出す。
木々へ飛び移り、殆ど形が残っていない点を見上げ位置を確かめながら駆けた。
暫くすると視界が開け、木々がなくなる。
ぽっかりと開いた森の広場。
その中心に横たわる黒い者。
今の季節に相応しく青々とした原っぱで不自然にも黒い者が横たわった場所だけが草が伸び茶色く枯れていた。
その者が使う術なのかという事も考えながら駆けつけた者達は少しずつ距離を縮める。
そして一人が横たわる者の肩を掴み起こした。
少女と言うべきか、女性と言うべきか、その似ている様で全く別のモノである雰囲気を彼女は持っていた。
額には何処の里の者か分かる額宛もなく衣服は白い着物で、腕は武器を持つには細い、細過ぎる。
彼女を起こした男は声をかけた。
何処の里の者か、
名前は、
だが彼女は彼の質問に答える事なく、その蒼い瞳を少し開いて
「また枯らしちゃった。
ごめんね」
と、自分の視界に広がる干し草と化した原っぱを見て呟くと、そのまま意識を飛ばしたのであった。
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