twst短編
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ユウは自身のほくろが多さがコンプレックスである。
腕に足、胸元や背中に点在する黒々とした点を見る度にユウは顔を顰めて溜息を吐く。
特に目元にある泣きぼくろは幼い頃、同級生の男子に弄られて以降、鏡越しに見るのも嫌で、何度もほくろの除去を考えた程。
そんなユウがほくろが前世で愛する人につけられたキスの名残りなんて話を耳にした。
「だったら私のほくろは何だってって話よ」
もし、その話が本当だとしたら前世のユウはキスされ過ぎだろという程に顔にも身体にもほくろが沢山ある。
自分のコンプレックスであるほくろの話題に些か気が立っているユウへと遊びに来ていたマレウスは唇を寄せた。
向かう先はユウの目元、泣きぼくろの位置である。
それに気付いたユウは咄嗟に自身へと迫る唇を両手で防ぐのだが、マレウスはそのまま手のひらのほくろへと口付けをした。
「私の話を聞いてた?ツノ太郎」
「勿論聞いていたとも。ほくろが前世のキスの名残という話だったか」
「だったら」
せめて今だけはキスを止めて欲しいと訴えるユウであるがマレウスはユウの腕を引き寄せると米神へとキスをする。
そこにもほくろがある事を思い出したユウはマレウスの腕から逃げるとキスされた箇所を押さえ睨み付けた。
「キスはやだ」
「どうしてだ。僕は来世のユウに名残りを残したい」
「それじゃあまた来世でほくろだらけになっちゃう」
「それなら好都合だ。生まれ変わったユウを探す手間が省ける」
そう言われてしまえばユウもこれ以上は抵抗出来ない。
再び腕を取られ、引き寄せられると額に瞼に、頬に、と意外にも温かいマレウスの唇を受け入れていたユウは唐突に思い出した。
「そもそも今世でホクロが多いのもツノ太郎の所為じゃない!!」
そうだ、そうだったと、怒涛の勢いで前世の記憶が蘇ったユウはマレウスの顔を力いっぱい押し退けて立ち上がった。
前世はこの世界の住人で、やっぱり人間だった前世のユウは今と同じくマレウスの恋人であった。
そして当時のマレウスは今と変わらずキス魔で、事あるごとにユウへと唇を寄せた。
顔は勿論、首に腕に足、兎に角マーキングでもするかの様にマレウスがキスしていた箇所は現在、ほくろがある箇所と一致する。
与太話だと思っていた話は本当だったのだ。
憤るユウに対してマレウスは「漸く思い出したのか」と面白おかしそうに笑うだけで反省していない所か確信犯にも思える。
「ツノ太郎の馬鹿!ツノ太郎がいっぱいキスする所為で今世はほくろだらけになっちゃったんじゃない」
「僕はお陰ですぐにユウが生まれ変わりだと気付けた」
そう言ってマレウスはユウの手を取ると指に口付けをした。
「またキスした」
懲りずにほくろのある箇所に唇を落としたマレウスにユウは顔を顰める。
「嫌か?」
エメラルドの如く輝く瞳に見つめられたユウは自身の唇をマレウスの唇に押し付けた。
キス魔なマレウスに対してユウは昔も今もそう言ったスキンシップは控えめである。
というのにユウからの口付けにマレウスは驚き、目を丸くさせた。
「せめて、此処が良い」
自身の唇に触れてそう呟くユウ。
恥ずかしい事を言っていると自覚しているのか呟いた言葉の終わりが声が小さくあったし顔どころか耳や首まで真っ赤になっている。
恥ずかしさに耐えきれず俯いてしまったユウの頬に手を這わせると「仰せのままに」とマレウスは微笑みかけ、口付けを返した。