トレインさん家のお孫さん
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近頃、サバナクロー寮生達には悩みがある。
「ふわふわ」
きらきらと瞳を瞬かせ、興奮に頬を赤く染めた子供、ユウによる寮生への付き纏いに彼等は困っていた。
事の発端は何時もの学園の廊下、とあるサバナクロー生がユウと廊下ですれ違った際に尻尾を彼女の顔にぶつけてしまった事から始まる。
そんなに力強くぶつけたわけでなく、どちらかといえば顔に軽く触れた程度である筈なのだが廊下の真ん中で固まったユウにその生徒は慌てていた。
もしかして自身の尻尾の毛が目にでも入ってしまったのかと慌てた生徒であるが、呆然としていたユウは突如、目を輝かせてその生徒の尻尾に飛びつく。
「尻尾ふわふわ」
「きゃああああっ?!!!」
ユウに尻尾を抱き締められた生徒、ミンクの獣人は男にしては甲高い悲鳴を上げた。
その悲鳴に何だ何だと生徒達は集まるのだがユウは彼等の視線も構わず、抱き締めた尻尾の柔らかさを堪能していた。
この一件でふわふわに目覚めたユウは特に獣人の多いサバナクロー生の後をついて歩く様になった。
トレインから何か指導でも受けたのか安易に他人の尻尾を掴むという暴挙はなくなったがちょろちょろと小さなユウが後ろを付いて歩く姿にむず痒さを感じた。
誰か一人に、というわけでなく、目に付いた尻尾を持つ生徒の後をひたすらストーキングしているのだがユウの付き纏いにあった生徒の中には気付かずトイレの前まで後を付けられていた者もおり、事態は深刻であった。
加えて現在のサバナクロー生の肩身は狭い。
ユウがサバナクロー寮生にばかり構うので他の寮から妬まれているのである。
「よし、俺が直談判してこよう」
そう言ったのは当代サバナクロー寮長で、狼の獣人であった。
事態の深刻さに立ち上がった寮長は早速、ユウの所へ向かった。
のだが
「寮長!」
先程と比べ、明らかに変わり果てた姿で戻って来た寮長に寮生達は悲鳴を上げた。
「相手は俺達の想像以上に腕が立つ。気を付けろ」
グッドラックと親指を立てた寮長は床に沈んだ。
その顔は安らかであった。
寮長の身に何が起こったのか、時間はこれより2時間程巻き戻る。
寮生達から事態打開の期待を受けた寮長はそのよくきく鼻でユウを探した。
寮長自身も何度かユウのストーカー被害を受けており、ユウの匂いは嫌という程覚えている。
ユウは中庭の隅にいた。
見慣れない座り方をし、その膝の上でトレインの愛猫であるルチウスのブラッシングをしている。
寮長はユウと話をすべくユウの前にどかりと座るのだが、ユウの膝の上にいたルチウスが厳しい声で鳴く。
ペットは飼い主に似るという。
特に意識してはいなかったがルチウスの鳴き声を聞いた寮長は自分の今の姿勢を咎められている様な気になって思わずユウの座り方を見よう見まねした。
しかしすぐに足は痺れてしまう。
なんとかルチウスが許す範囲で足を崩した寮長を見て、ユウが微笑む。
「後少しで終わるのでお待ち下さいお客様」
「ん?」
ユウが自分をお客様と呼んだ事に頭を傾げた寮長であるがよくよくユウがルチウスに話す内容を聞けば美容院でよく聞く会話で、年が離れた妹がいる寮長はユウがごっこ遊びをしているのだと理解した。
「さあ、お客様終わりましたよ」
ユウの言葉に膝から降りたルチウスの前にユウは手鏡を出すと何時もより艶がかった毛並みを鏡に映して見せる。
それもまた、美容院で見かける光景で、その細かなごっこに寮長は感心した。
「お客様、大変お待たせしました」
此方へ、とユウが自身の膝を叩き寮長に声をかけた。
改めてこのごっこ遊びに自分も組み込まれている事に気付いた寮長は慌てて固辞するのだが、ルチウスがいつにもまして低い声で鳴く。
まるでユウの言う事に従えと言わんばかりの声、飼い主を彷彿させるその威圧に寮長は折れた。
それが寮長の敗因であった。
たかが子供のごっこ遊びと侮っていた寮長であるがルチウスで鍛えたブラッシングテクと、トレインから貰ったお古だけれど良いブラシという装備品により寮長は溶かされに溶かされ、あまりの気持ち良さに放心していた。
結局、寮長は暫く放心。
ユウはルチウスに帰宅の時間だと促され途中で帰ってしまった為話し合いらしい話し合いはされなかった。
けれど寮長の犠牲により、ふわふわの毛を心ゆくまで満喫したユウはそれ以降、サバナクロー生のストーキングを行う事はなくなった。
「寮長!またしても一年生が餌食に!」
「二年生やられました!」
「こっちは三年生と四年生がおちびにブラッシングしてもらう順番で揉めています!」
「そいつらマジで何してんの??」
ブラッシングに目覚めたユウによるブラッシングテロが起こる様になり、サバナクローの悩みはなかなか尽きないのであった。
「ふわふわ」
きらきらと瞳を瞬かせ、興奮に頬を赤く染めた子供、ユウによる寮生への付き纏いに彼等は困っていた。
事の発端は何時もの学園の廊下、とあるサバナクロー生がユウと廊下ですれ違った際に尻尾を彼女の顔にぶつけてしまった事から始まる。
そんなに力強くぶつけたわけでなく、どちらかといえば顔に軽く触れた程度である筈なのだが廊下の真ん中で固まったユウにその生徒は慌てていた。
もしかして自身の尻尾の毛が目にでも入ってしまったのかと慌てた生徒であるが、呆然としていたユウは突如、目を輝かせてその生徒の尻尾に飛びつく。
「尻尾ふわふわ」
「きゃああああっ?!!!」
ユウに尻尾を抱き締められた生徒、ミンクの獣人は男にしては甲高い悲鳴を上げた。
その悲鳴に何だ何だと生徒達は集まるのだがユウは彼等の視線も構わず、抱き締めた尻尾の柔らかさを堪能していた。
この一件でふわふわに目覚めたユウは特に獣人の多いサバナクロー生の後をついて歩く様になった。
トレインから何か指導でも受けたのか安易に他人の尻尾を掴むという暴挙はなくなったがちょろちょろと小さなユウが後ろを付いて歩く姿にむず痒さを感じた。
誰か一人に、というわけでなく、目に付いた尻尾を持つ生徒の後をひたすらストーキングしているのだがユウの付き纏いにあった生徒の中には気付かずトイレの前まで後を付けられていた者もおり、事態は深刻であった。
加えて現在のサバナクロー生の肩身は狭い。
ユウがサバナクロー寮生にばかり構うので他の寮から妬まれているのである。
「よし、俺が直談判してこよう」
そう言ったのは当代サバナクロー寮長で、狼の獣人であった。
事態の深刻さに立ち上がった寮長は早速、ユウの所へ向かった。
のだが
「寮長!」
先程と比べ、明らかに変わり果てた姿で戻って来た寮長に寮生達は悲鳴を上げた。
「相手は俺達の想像以上に腕が立つ。気を付けろ」
グッドラックと親指を立てた寮長は床に沈んだ。
その顔は安らかであった。
寮長の身に何が起こったのか、時間はこれより2時間程巻き戻る。
寮生達から事態打開の期待を受けた寮長はそのよくきく鼻でユウを探した。
寮長自身も何度かユウのストーカー被害を受けており、ユウの匂いは嫌という程覚えている。
ユウは中庭の隅にいた。
見慣れない座り方をし、その膝の上でトレインの愛猫であるルチウスのブラッシングをしている。
寮長はユウと話をすべくユウの前にどかりと座るのだが、ユウの膝の上にいたルチウスが厳しい声で鳴く。
ペットは飼い主に似るという。
特に意識してはいなかったがルチウスの鳴き声を聞いた寮長は自分の今の姿勢を咎められている様な気になって思わずユウの座り方を見よう見まねした。
しかしすぐに足は痺れてしまう。
なんとかルチウスが許す範囲で足を崩した寮長を見て、ユウが微笑む。
「後少しで終わるのでお待ち下さいお客様」
「ん?」
ユウが自分をお客様と呼んだ事に頭を傾げた寮長であるがよくよくユウがルチウスに話す内容を聞けば美容院でよく聞く会話で、年が離れた妹がいる寮長はユウがごっこ遊びをしているのだと理解した。
「さあ、お客様終わりましたよ」
ユウの言葉に膝から降りたルチウスの前にユウは手鏡を出すと何時もより艶がかった毛並みを鏡に映して見せる。
それもまた、美容院で見かける光景で、その細かなごっこに寮長は感心した。
「お客様、大変お待たせしました」
此方へ、とユウが自身の膝を叩き寮長に声をかけた。
改めてこのごっこ遊びに自分も組み込まれている事に気付いた寮長は慌てて固辞するのだが、ルチウスがいつにもまして低い声で鳴く。
まるでユウの言う事に従えと言わんばかりの声、飼い主を彷彿させるその威圧に寮長は折れた。
それが寮長の敗因であった。
たかが子供のごっこ遊びと侮っていた寮長であるがルチウスで鍛えたブラッシングテクと、トレインから貰ったお古だけれど良いブラシという装備品により寮長は溶かされに溶かされ、あまりの気持ち良さに放心していた。
結局、寮長は暫く放心。
ユウはルチウスに帰宅の時間だと促され途中で帰ってしまった為話し合いらしい話し合いはされなかった。
けれど寮長の犠牲により、ふわふわの毛を心ゆくまで満喫したユウはそれ以降、サバナクロー生のストーキングを行う事はなくなった。
「寮長!またしても一年生が餌食に!」
「二年生やられました!」
「こっちは三年生と四年生がおちびにブラッシングしてもらう順番で揉めています!」
「そいつらマジで何してんの??」
ブラッシングに目覚めたユウによるブラッシングテロが起こる様になり、サバナクローの悩みはなかなか尽きないのであった。