マグル生まれの魔法使い
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サフィニア・ダーズリーは浮かれていた。
自室のカレンダーにお気に入りのペンで印を付ける程に今日という日を楽しみにしていた。
今日は従兄弟と共に魔法使いの住む世界へ買い物に行くからである。
自身が魔女だと知ったのは夏の長期休暇に入ったある日の朝の事。
父親であるバーノンがサフィニアの双子の兄であるダドリーに手紙を取って来るよう言い、ダドリーがそれを聞かず従兄弟のハリーへと振った。
ハリーは何故自分がと難色を示しており、そんな彼の代わりにサフィニアが席を立った。
夏休みに入ってすぐにフランスへ引っ越した友人の手紙を待っていたサフィニアは今さらになって「自分が行く」という兄と従兄弟を制して玄関へと向かった。
郵便受から届いた手紙を取り、眺めながらダイニングへと戻るサフィニアは目当ての手紙は無かったが自分と従兄弟宛の手紙に気が付いた。
正規の住所に加え詳しく二階の部屋の場所まで書かれた手紙はまるで映画に出て来る舞踏会の招待状の如く畏まった物であった。
ダイニングに入ると父親宛てであった請求書と叔母であるマージからの絵葉書をバーノンへと渡し、ダドリーと9月から通う学校について話していたハリーにサフィニアは彼宛の手紙を渡した。
「なんだよそれ」
妹と従兄弟のハリーがお揃いの手紙を持っているのが気になったのかダドリーは封蝋を剥がすハリーの手紙を横から覗いていた。
「私とハリー宛に来てたの」
「お前等宛にそんな手紙を送る奴なんているのか?」
ダドリーの疑問に二人はいないと即答えた。
フランスに引っ越した友人から手紙をサフィニアは待ってはいたが昨晩彼女と電話で話した時は「フランスの街並みを描いた綺麗な絵葉書を送るわ」と言っていてこんな畏まった手紙を送るとは聞いていない。
同じ手紙を持つハリーに関しては交友関係はダドリーと同じで皆が皆、長期休みだからと手紙を書くような筆まめな人物では無かった。
「そもそもこの手紙、送り主がホグワーツ魔法魔術学校って書いてある」
「何処だよそれ」
「私も聞いた事が無いわ」
三人して聞いた事の無い学校名。
しかも魔法魔術と付く学校名に悪戯かと笑った。
悪戯にしては黄色みがかった羊皮紙の封筒、細やかな紋章入りの封蝋、エメラルドグリーンのインクで書かれた宛名といい随分雰囲気に拘っているなと三人して感心していると父親の座る方からガチャンと音がして三人はその方を向いた。
すると何時もの血色の良い顔をバーノンは顔を真っ青にして紅茶の入ったカップを転かしており、何事かと三人が呆然としていればペチュニアが二人の手から手紙を奪った。
見ればペチュニアも顔を青く染め、唇を震わせている。
「子供達、この手紙は私がちゃんと捨てておくから貴方達は二階で遊んでいなさい」
有無を言わせ無いペチュニアの声色に三人は大人しく従う。
やはりあの手紙は悪戯だったのか毎日の様に手紙が届いた。
日を追うごとに枚数は2枚、4枚と増え、何故か郵便の配達も無い日曜日にもそれは届き、ノイローゼ気味のバーノンが自社製品である電動ドリルで郵便受の入り口を塞いだ時は余りの不気味さに声もかけられず三人で階段の物陰から静かにバーノンの様子を伺った。
「お前等一体何をやらかしたんだよ」
ベットでお菓子を食べていたダドリーは床に座った二人を見て零す。
郵便受の入り口はバーノンの手で塞がれてしまったが手紙の送り主それで諦める事なく家中の隙間という隙間から手紙を投函し、バーノンはそれを追って家中の隙間を板で打ち付けた。
これで手紙は来ないかと思いきや一体どうやったのか牛乳配達員から受け取った卵で朝食を作ろうとサフィニアが卵を割ると油を引いたフライパンにくしゃくしゃの見覚えのある手紙が落ちる。
それを隣でスープの用意をしていたペチュニアが見て驚き、台所の床へと倒れ込んだ。
その音を聞きつけ台所に入ってきたバーノンは床に倒れた妻とフライパンの上で焼かれる手紙と卵の殻を手に呆然と立ち尽くす娘を見て全てを察し残った卵を割った。
その中身が全てあの悪戯の手紙と分かると物凄い剣幕で卵を配達した牛乳店と郵便局に怒りの電話を掛けた。
これが昨日の事である。
「あの手紙をの所為でパパがおかしくなっちゃったじゃんか」
ここ数日のバーノンの行動はダドリーにそう言わせる程に奇怪であった。
「そう言われても」
「私達も身に覚えが無いし」
「雑誌の怪しい広告にでも手紙を送ったんじゃ無いだろうな」
「それはダドリーの方でしょ!」
忘れもしない去年の夏休み。
公園で雑誌を拾ったダドリーは何を思ったのか裏表紙に書かれていた怪しい広告に手紙を送ったのである。
それから数日してダーズリー家にはいくつものダイエットマシーンが届いた。
その日は丁度バーノンが休みで在宅しており、勝手に家の中へダイエットマシーンを運び入れようとする配達員を怒鳴り飛ばし追い返した為請求は来る事が無かったがおかげでダドリーと連帯責任でサフィニアとハリー迄もがバーノンに怒られたのであった。
「まさかダドリー。今度は僕達の名前で怪しい広告に申し込んだりしていないだろうね」
ハリーの呟きにサフィニア迄もがこの双子の兄ならばやりかねないとジト目で睨んだ。
「僕は何もやってないよ!」
「ダドちゃんのいう事だからね」
「ダドちゃん前科が多過ぎるからね」
そう簡単には信用出来ない程にサフィニアとハリーは目の前のダドリーに振り回されて来た。
だいたい何かをやらかすのはダドリーで、連帯責任と称してバーノンの説教に付き合わされるのがサフィニアとハリーである。
そのお陰で今までダドリーと同じ様な事をやらかした事はないがそれはそれ、これはこれ。
連帯責任にも限度がある。
「本当に僕は何もやってないったら!!」
ダドリーの大声とバーノンの悲鳴は同時であった。
父親、伯父の只ならぬ声に何事かと三人は一階のリビングへと駆け込む。
リビングは一面手紙という手紙で真っ白に染まっていた。
前々から手紙の内容が気になっていたダドリーが手紙を拾おうと飛び出しかけるのを呆然としながらもサフィニアとハリーが彼の服を掴んで止める。
暖炉から勢いよく飛び出す手紙に驚いて転んでいたのか勢いよく上体を起こしたバーノンは額に血管を浮き立たせこの家を出ると宣言した。
それから慌てて車に当面の荷物を積み込み手紙の来ない所へ逃げに逃げ回った。
最終的には郵便局も流石に無理だろうと荒れ狂う海の側の小さな小屋に落ち着いた。
埃っぽくてテレビも何もなく、夕食もポテトチップスとバナナという貧相なものでダドリーは不満を漏らしていたがサフィニアはそれなりにこの状況を楽しんでいた。
「出たよ。サフィニアって本当変わってるよな。こんなテレビもゲームも何もない所の何処が良いんだよ」
バーノンとペチュニアは車での大移動に疲れて早々に眠っている。
日付が変わるという時間でも目が覚めていた子供達三人は毛布から頭を出して小声で話す。
「だってまるで小説みたいじゃない」
一体次は何が起こるのか。
真夜中の訪問者?外の嵐で屋根が飛ばされる?何にせよ愉快では無さそうなサフィニアの想像する展開にダドリーとハリーは呆れて苦笑いをした。
「しっかしハリーも災難だよな。せっかくの誕生日がこんな襤褸い小屋で迎えるなんてさ」
「もう、ダドリー!そんな事言わないの!ハリー、明日はパパが街まで戻って水族館に連れて行ってくれるらしいから楽しみましょうね」
「僕は水族館より遊園地が良かったな」
そう溢すダドリーを叱るサフィニア。
そんな二人のやりとりを眺めながらハリーは欠伸を溢した。
「おいハリーまだ寝るなよ」
「ハリーもう少しだけ我慢して」
二人に体を揺さぶられ睡魔と戦うハリー。
そんなハリーの様子を伺いながらダドリーは自身の腕時計を眺めてカウントを始めた。
カウントが10秒を切り、「5、4、3」と数えるサフィニアとダドリーの声が重なる。
長針と短針、秒針が天辺を指した所でカウントしていた二人は「「ハッピーバースデー」」と控え目な声量ながら迎えたハリーの誕生日を祝った。
今まで毛布の中に隠していたのか綺麗にラッピングされた包みを差し出され眠気が飛んだハリーが受け取ろうとした時、まるで先程の会話を再現するかの様に扉を叩く音が聞こえた。
外は嵐だというのにはっきり聞こえたその音に三人は身を硬直させる。
その扉を叩く音はペチュニアとバーノンを起こすにも充分だったらしくバーノンは猟銃を手に扉の外を威嚇し、ペチュニアは子供達三人を庇いながら扉から一番遠い場所へと移動した。
サフィニアは目を疑った。
外から誰も侵入出来ない様にと就寝前にバーノンが内側に取り付けた南京錠が鍵も無いのに一人でに解錠したのである。
見間違いかと目をこすり再度確認するも南京錠はやはり解錠しておりダドリーもハリーも驚いて目を見開いていた。
唯一三人の前に立つペチュニアだけが厳しい視線を扉に向けている。
「夜分に失礼する。こちらにハリー・ポッターとサフィニア・ダーズリーは在宅かね」
鍵の開いた扉から入って来たのは全身黒づくめの男であった。
真夜中の訪問者はホグワーツ魔法魔術学校教師をしているというセブルス・スネイプという人物で、彼は何度送っても返事の無い入学許可証をわざわざ辺鄙な所まで届けに来てくれたのだとか。
悪戯でなく本当に魔法魔術学校があるという話からハリーの両親の死の真相に入り、両親共に魔法使いハリーだけでなくサフィニア迄もホグワーツに入学出来るという話になった所でスネイプがサフィニアを見て「リリー・・・?」と零した事で揉めに揉めた。
誰とはペチュニアとスネイプがである。
妻であるペチュニアの只ならぬ様子に口を噤むバーノンに対し途中で空気を読まずにダドリーが「二人が行くなら僕もホグワーツに行きたい!」と駄々を捏ねるがらしく無いペチュニアの剣幕にダドリーは泣き出しサフィニアはひたすら慰めた。
結局、魔力を制御出来なければ本人は勿論周りも危険だというスネイプの意見を聞いたサフィニアが自分もホグワーツに行くと宣言するとペチュニアは驚いて固まり、そんな彼女を置いて話はとんとん拍子に進んだ。
後日、学用品購入の為迎えに来る事を伝えるとスネイプは扉を使うわけでもなく一瞬で姿を消した。
「すっげー」
まさに魔法といわんばかりに一瞬で消えたスネイプにダドリーは感動している。
が、母親であるペチュニアの只ならぬ様子に察したサフィニアはこれ以上双子の兄が余計な事を言う前にとベッドへ進め毛布を掛けて早く寝る様に促した。
スネイプが消えた場所を厳しい視線で睨み続けていたペチュニアにはバーノンが側に付き、彼女の薄い肩に毛布を掛けてベッドへと誘導している。
サフィニアはそんな両親の後ろ姿に息を吐き、今だ立ち尽くしたままのハリーに声をかけた。
「ハリー、明日はきっと早いから早く寝よ」
彼の冷え切った手を握り、ダドリーの横へと引っ張った。
今日1日興奮しっぱなしだったダドリーは本物の魔法使いを見たのがトドメになったのかベッドに潜って早々に寝息をたてる。
逆に先程迄眠そうにしていたハリーは目が冴えたのかすぐには眠りそうになかったが彼の眼鏡を勝手に外して無理矢理ダドリーの横へと寝転がす。
「僕の両親、交通事故で死んだんじゃ無いって知ってた?」
「私も、ダドリーも多分初耳だよ。というかハリーの両親が魔法使いだなんていうのも今迄知らなかった」
「如何して伯母さんは交通事故だなんて嘘をついたんだろう」
「それはママに直接聞いてみないと分からないわ」
今日は遅いからもう寝ようと再度促し、ハリーが頷いたのを確認してサフィニアは枕元に置いたランプの火を吹き消した。
「おやすみハリー」
「おやすみサフィニア」
入学許可証を受け取り、二人して入学する意思を伝えたからだろうか手紙の猛攻は収まり、約束通り家に帰るがてら家族五人で水族館へと向かった。
せっかくの誕生日だというのにバーノンもペチュニアも誕生日の主役であるハリーさえも終始無言でダドリーとサフィニアは三人の側を彷徨いては少しでも場の雰囲気を良くしようと立ち回ったが雰囲気が良くなり事は無かった。
そのまた翌日にはバーノンは何時もの様に戻り朝食時には軽いジョークを言って会社へと出勤して行った。
問題はペチュニアとハリーの方であの嵐の晩以来二人が口を聞いた姿をサフィニアもダドリーも見ていない。
「・・・なあ、サフィニア。ママとハリーのあの気まずい雰囲気何とかしてくれよ」
「ダドリー、無茶言わないで」
読書をしていたサフィニアの部屋に入ってきたダドリーのお願いを却下すれば余程二人の雰囲気に堪えているのかさっさと外へ遊びに逃げてしまった。
今日はペチュニアと一緒に三人で庭の手入れをすると前から約束していたにも関わらずである。
前からの約束であるのでこれ以上人数を減らす訳には行かずそろそろお声がかかるだろうかという時間に一階へ降りるとペチュニアとハリーがテーブルを挟んで向かい合い神妙な面持ちで何やら話込んでいるのでサフィニアは思わず回れ右をした。
「サフィニア、ちょっと此方へいらっしゃい」
がペチュニアに見つかり呼び出された為大人しくダイニングに戻る。
ハリーとの話は終わったらしくハリーはあの嵐の夜以来沈んでいた顔色を明るくさせてサフィニアとは入れ替わりでダイニングから出て行った。
ハリーの座っていた席に座りサフィニアはペチュニアと向かい合う。
「・・・まさか、私の娘が魔女なんてね」
溜息と共に溢れた言葉にサフィニアはどきりとした。
嵐の夜の会話ではペチュニアはバーノン以上に魔法界を嫌っている様にサフィニアは感じていた。
それはハリーの母親でありペチュニアの妹である叔母が関係しているのを何となく感じてはいた。
「ママは私が魔女で悲しい?」
「悲しいというより寂しいわ。貴女とハリーは地元の公立校に通う予定だったからね」
元々進学先はバーノンの会社を継ぐ予定のあるダドリーが父の母校であるスメルティングズに、サフィニアとハリーは近場にある公立校に通う筈だったのにまさかここに来て二人が全寮制の学校へ通う事になったのである。
「ハリーはともかく貴女が私達に相談もなく勝手にホグワーツに行くと返事をするものだから驚いたよ」
「そ、それはごめんなさい」
ハリーは仕方無いにしもサフィニアは入学に際し相談すべき相手が側にいたのだ。
にも関わらず両親に伺いをたてずに入学を決めてしまったのはサフィニアでも軽率だと思った。
「だけど、魔力を制御出来ないと周りが危険だって聞いたら」
サフィニアは自分がとても恐ろしいものに感じた。
両親にも双子の兄にも話した事は無いが不思議な力は何時もサフィニアが困った時に助けてくれた。
怪しい大人に追いかけられた時は泣きながら走って逃げてれば瞬きした瞬間に自室にいたしダドリーと仲の悪い同級生に叩かれそうになった時はまるで静電気の様な力が叩こうとしたその手を弾いてくれた。
他にも説明し難い不思議な経験はいくつもある。
そんな決して弱くない力が自分の家族を傷付ける可能性があると聞いてサフィニアはじっとしていられなかった。
サフィニアは自分の気持ちと今さらもう遅いが改めてペチュニアにホグワーツに通う事をお願いした。
次に口を聞いたのはペチュニアで、彼女は唐突に家族で唯一魔女であった彼女の妹の話をしだした。
仲の良い姉妹であったが妹のホグワーツ入学が決まりそこから姉妹の仲が急速に悪くなった事。
そして仲は険悪に、喧嘩別れの様な形になってしまい彼女の妹は魔法使いの男性と結婚した後に魔法界で悪い魔法使いに殺されてしまった事。
ペチュニアは表情を歪ませ両手で顔を覆った。
「可愛い娘と甥が魔法学校に行ってしまうのは寂しいわ。でもそれ以上にあの子の様に悪い魔法使いに襲われて死んでしまうんじゃないかって恐ろしい」
それでも行ってしまうのかと尋ねられサフィニアは頷く。
「ママの話で魔法界が恐ろしいのは分かったけど、それでも私はこの不思議な力をコントロールする術を学びたい」
だから、とサフィニアは頭を下げる。
「私をホグワーツに行かせて下さい」
頭を下げて暫く向かいに座るペチュニアから溜息が聞こえた。
ペチュニアの顔色を伺おうとサフィニアは少し顔を上げると彼女は頭が痛むのだろうか眉間を指で揉んでいる。
「そこまで意思が固いのなら私はこれ以上言うことは無いわ。ホグワーツに行く事も止めない」
「じゃあ!」
「あちらの学校でしっかり学びなさい。親の目が無いからって勉強が疎かになったらすぐにこちらに連れ戻すからね」
「私、頑張って勉強するわ」
ペチュニアからホグワーツへの入学の許可を貰ったサフィニアは勢いよく椅子から降りるとペチュニアに抱きついた。
ペチュニアはそんなサフィニアの頭を撫でると抱き締め返し、サフィニアを腕の中に閉じ込める。
「ちょっと前までは三人共小さな赤ん坊だったのにいつの間に大きくなったのかしら」
「ダドリーはちょっと育ち過ぎな所があるけどね」
寂しさを声に滲ませるペチュニアを明るくさせようとサフィニアは心の中でダドリーに謝りながらそう言えばペチュニアは少し鼻声混じりに笑う。
「そうね。ダドちゃんはちょっと育ち過ぎだから新学期前までに少し痩せないといけないわね」
ついでにと夫のダイエットまで計画し出すペチュニアにダドリーに重ね重ね、とばっちりを受けたバーノンにサフィニアはまたも心の中で謝った。
ホグワーツへの入学についてペチュニアからバーノンーへ説明してくれたのかその晩にはサフィニアとハリーは並んでバーノンから七年間の学校生活を頑張るよう激励を受けた。
ダドリーはあの嵐の夜言っていた事をまだ諦めていなかったのか自分も二人と一緒にホグワーツへ行くと駄々をこねたがダドリーには入学許可証が来ていないから通えないのだとペチュニアに言われて大泣きをし、今度はサフィニアとハリー二人してダドリーを慰めた。
最後はハリーと二人で暫く内緒話をした後、まめに手紙を送る事で落ち着く。
それからカレンダーを斜線で埋めて数日、魔法界へ学用品を買いに行く日を迎えた。
自室のカレンダーにお気に入りのペンで印を付ける程に今日という日を楽しみにしていた。
今日は従兄弟と共に魔法使いの住む世界へ買い物に行くからである。
自身が魔女だと知ったのは夏の長期休暇に入ったある日の朝の事。
父親であるバーノンがサフィニアの双子の兄であるダドリーに手紙を取って来るよう言い、ダドリーがそれを聞かず従兄弟のハリーへと振った。
ハリーは何故自分がと難色を示しており、そんな彼の代わりにサフィニアが席を立った。
夏休みに入ってすぐにフランスへ引っ越した友人の手紙を待っていたサフィニアは今さらになって「自分が行く」という兄と従兄弟を制して玄関へと向かった。
郵便受から届いた手紙を取り、眺めながらダイニングへと戻るサフィニアは目当ての手紙は無かったが自分と従兄弟宛の手紙に気が付いた。
正規の住所に加え詳しく二階の部屋の場所まで書かれた手紙はまるで映画に出て来る舞踏会の招待状の如く畏まった物であった。
ダイニングに入ると父親宛てであった請求書と叔母であるマージからの絵葉書をバーノンへと渡し、ダドリーと9月から通う学校について話していたハリーにサフィニアは彼宛の手紙を渡した。
「なんだよそれ」
妹と従兄弟のハリーがお揃いの手紙を持っているのが気になったのかダドリーは封蝋を剥がすハリーの手紙を横から覗いていた。
「私とハリー宛に来てたの」
「お前等宛にそんな手紙を送る奴なんているのか?」
ダドリーの疑問に二人はいないと即答えた。
フランスに引っ越した友人から手紙をサフィニアは待ってはいたが昨晩彼女と電話で話した時は「フランスの街並みを描いた綺麗な絵葉書を送るわ」と言っていてこんな畏まった手紙を送るとは聞いていない。
同じ手紙を持つハリーに関しては交友関係はダドリーと同じで皆が皆、長期休みだからと手紙を書くような筆まめな人物では無かった。
「そもそもこの手紙、送り主がホグワーツ魔法魔術学校って書いてある」
「何処だよそれ」
「私も聞いた事が無いわ」
三人して聞いた事の無い学校名。
しかも魔法魔術と付く学校名に悪戯かと笑った。
悪戯にしては黄色みがかった羊皮紙の封筒、細やかな紋章入りの封蝋、エメラルドグリーンのインクで書かれた宛名といい随分雰囲気に拘っているなと三人して感心していると父親の座る方からガチャンと音がして三人はその方を向いた。
すると何時もの血色の良い顔をバーノンは顔を真っ青にして紅茶の入ったカップを転かしており、何事かと三人が呆然としていればペチュニアが二人の手から手紙を奪った。
見ればペチュニアも顔を青く染め、唇を震わせている。
「子供達、この手紙は私がちゃんと捨てておくから貴方達は二階で遊んでいなさい」
有無を言わせ無いペチュニアの声色に三人は大人しく従う。
やはりあの手紙は悪戯だったのか毎日の様に手紙が届いた。
日を追うごとに枚数は2枚、4枚と増え、何故か郵便の配達も無い日曜日にもそれは届き、ノイローゼ気味のバーノンが自社製品である電動ドリルで郵便受の入り口を塞いだ時は余りの不気味さに声もかけられず三人で階段の物陰から静かにバーノンの様子を伺った。
「お前等一体何をやらかしたんだよ」
ベットでお菓子を食べていたダドリーは床に座った二人を見て零す。
郵便受の入り口はバーノンの手で塞がれてしまったが手紙の送り主それで諦める事なく家中の隙間という隙間から手紙を投函し、バーノンはそれを追って家中の隙間を板で打ち付けた。
これで手紙は来ないかと思いきや一体どうやったのか牛乳配達員から受け取った卵で朝食を作ろうとサフィニアが卵を割ると油を引いたフライパンにくしゃくしゃの見覚えのある手紙が落ちる。
それを隣でスープの用意をしていたペチュニアが見て驚き、台所の床へと倒れ込んだ。
その音を聞きつけ台所に入ってきたバーノンは床に倒れた妻とフライパンの上で焼かれる手紙と卵の殻を手に呆然と立ち尽くす娘を見て全てを察し残った卵を割った。
その中身が全てあの悪戯の手紙と分かると物凄い剣幕で卵を配達した牛乳店と郵便局に怒りの電話を掛けた。
これが昨日の事である。
「あの手紙をの所為でパパがおかしくなっちゃったじゃんか」
ここ数日のバーノンの行動はダドリーにそう言わせる程に奇怪であった。
「そう言われても」
「私達も身に覚えが無いし」
「雑誌の怪しい広告にでも手紙を送ったんじゃ無いだろうな」
「それはダドリーの方でしょ!」
忘れもしない去年の夏休み。
公園で雑誌を拾ったダドリーは何を思ったのか裏表紙に書かれていた怪しい広告に手紙を送ったのである。
それから数日してダーズリー家にはいくつものダイエットマシーンが届いた。
その日は丁度バーノンが休みで在宅しており、勝手に家の中へダイエットマシーンを運び入れようとする配達員を怒鳴り飛ばし追い返した為請求は来る事が無かったがおかげでダドリーと連帯責任でサフィニアとハリー迄もがバーノンに怒られたのであった。
「まさかダドリー。今度は僕達の名前で怪しい広告に申し込んだりしていないだろうね」
ハリーの呟きにサフィニア迄もがこの双子の兄ならばやりかねないとジト目で睨んだ。
「僕は何もやってないよ!」
「ダドちゃんのいう事だからね」
「ダドちゃん前科が多過ぎるからね」
そう簡単には信用出来ない程にサフィニアとハリーは目の前のダドリーに振り回されて来た。
だいたい何かをやらかすのはダドリーで、連帯責任と称してバーノンの説教に付き合わされるのがサフィニアとハリーである。
そのお陰で今までダドリーと同じ様な事をやらかした事はないがそれはそれ、これはこれ。
連帯責任にも限度がある。
「本当に僕は何もやってないったら!!」
ダドリーの大声とバーノンの悲鳴は同時であった。
父親、伯父の只ならぬ声に何事かと三人は一階のリビングへと駆け込む。
リビングは一面手紙という手紙で真っ白に染まっていた。
前々から手紙の内容が気になっていたダドリーが手紙を拾おうと飛び出しかけるのを呆然としながらもサフィニアとハリーが彼の服を掴んで止める。
暖炉から勢いよく飛び出す手紙に驚いて転んでいたのか勢いよく上体を起こしたバーノンは額に血管を浮き立たせこの家を出ると宣言した。
それから慌てて車に当面の荷物を積み込み手紙の来ない所へ逃げに逃げ回った。
最終的には郵便局も流石に無理だろうと荒れ狂う海の側の小さな小屋に落ち着いた。
埃っぽくてテレビも何もなく、夕食もポテトチップスとバナナという貧相なものでダドリーは不満を漏らしていたがサフィニアはそれなりにこの状況を楽しんでいた。
「出たよ。サフィニアって本当変わってるよな。こんなテレビもゲームも何もない所の何処が良いんだよ」
バーノンとペチュニアは車での大移動に疲れて早々に眠っている。
日付が変わるという時間でも目が覚めていた子供達三人は毛布から頭を出して小声で話す。
「だってまるで小説みたいじゃない」
一体次は何が起こるのか。
真夜中の訪問者?外の嵐で屋根が飛ばされる?何にせよ愉快では無さそうなサフィニアの想像する展開にダドリーとハリーは呆れて苦笑いをした。
「しっかしハリーも災難だよな。せっかくの誕生日がこんな襤褸い小屋で迎えるなんてさ」
「もう、ダドリー!そんな事言わないの!ハリー、明日はパパが街まで戻って水族館に連れて行ってくれるらしいから楽しみましょうね」
「僕は水族館より遊園地が良かったな」
そう溢すダドリーを叱るサフィニア。
そんな二人のやりとりを眺めながらハリーは欠伸を溢した。
「おいハリーまだ寝るなよ」
「ハリーもう少しだけ我慢して」
二人に体を揺さぶられ睡魔と戦うハリー。
そんなハリーの様子を伺いながらダドリーは自身の腕時計を眺めてカウントを始めた。
カウントが10秒を切り、「5、4、3」と数えるサフィニアとダドリーの声が重なる。
長針と短針、秒針が天辺を指した所でカウントしていた二人は「「ハッピーバースデー」」と控え目な声量ながら迎えたハリーの誕生日を祝った。
今まで毛布の中に隠していたのか綺麗にラッピングされた包みを差し出され眠気が飛んだハリーが受け取ろうとした時、まるで先程の会話を再現するかの様に扉を叩く音が聞こえた。
外は嵐だというのにはっきり聞こえたその音に三人は身を硬直させる。
その扉を叩く音はペチュニアとバーノンを起こすにも充分だったらしくバーノンは猟銃を手に扉の外を威嚇し、ペチュニアは子供達三人を庇いながら扉から一番遠い場所へと移動した。
サフィニアは目を疑った。
外から誰も侵入出来ない様にと就寝前にバーノンが内側に取り付けた南京錠が鍵も無いのに一人でに解錠したのである。
見間違いかと目をこすり再度確認するも南京錠はやはり解錠しておりダドリーもハリーも驚いて目を見開いていた。
唯一三人の前に立つペチュニアだけが厳しい視線を扉に向けている。
「夜分に失礼する。こちらにハリー・ポッターとサフィニア・ダーズリーは在宅かね」
鍵の開いた扉から入って来たのは全身黒づくめの男であった。
真夜中の訪問者はホグワーツ魔法魔術学校教師をしているというセブルス・スネイプという人物で、彼は何度送っても返事の無い入学許可証をわざわざ辺鄙な所まで届けに来てくれたのだとか。
悪戯でなく本当に魔法魔術学校があるという話からハリーの両親の死の真相に入り、両親共に魔法使いハリーだけでなくサフィニア迄もホグワーツに入学出来るという話になった所でスネイプがサフィニアを見て「リリー・・・?」と零した事で揉めに揉めた。
誰とはペチュニアとスネイプがである。
妻であるペチュニアの只ならぬ様子に口を噤むバーノンに対し途中で空気を読まずにダドリーが「二人が行くなら僕もホグワーツに行きたい!」と駄々を捏ねるがらしく無いペチュニアの剣幕にダドリーは泣き出しサフィニアはひたすら慰めた。
結局、魔力を制御出来なければ本人は勿論周りも危険だというスネイプの意見を聞いたサフィニアが自分もホグワーツに行くと宣言するとペチュニアは驚いて固まり、そんな彼女を置いて話はとんとん拍子に進んだ。
後日、学用品購入の為迎えに来る事を伝えるとスネイプは扉を使うわけでもなく一瞬で姿を消した。
「すっげー」
まさに魔法といわんばかりに一瞬で消えたスネイプにダドリーは感動している。
が、母親であるペチュニアの只ならぬ様子に察したサフィニアはこれ以上双子の兄が余計な事を言う前にとベッドへ進め毛布を掛けて早く寝る様に促した。
スネイプが消えた場所を厳しい視線で睨み続けていたペチュニアにはバーノンが側に付き、彼女の薄い肩に毛布を掛けてベッドへと誘導している。
サフィニアはそんな両親の後ろ姿に息を吐き、今だ立ち尽くしたままのハリーに声をかけた。
「ハリー、明日はきっと早いから早く寝よ」
彼の冷え切った手を握り、ダドリーの横へと引っ張った。
今日1日興奮しっぱなしだったダドリーは本物の魔法使いを見たのがトドメになったのかベッドに潜って早々に寝息をたてる。
逆に先程迄眠そうにしていたハリーは目が冴えたのかすぐには眠りそうになかったが彼の眼鏡を勝手に外して無理矢理ダドリーの横へと寝転がす。
「僕の両親、交通事故で死んだんじゃ無いって知ってた?」
「私も、ダドリーも多分初耳だよ。というかハリーの両親が魔法使いだなんていうのも今迄知らなかった」
「如何して伯母さんは交通事故だなんて嘘をついたんだろう」
「それはママに直接聞いてみないと分からないわ」
今日は遅いからもう寝ようと再度促し、ハリーが頷いたのを確認してサフィニアは枕元に置いたランプの火を吹き消した。
「おやすみハリー」
「おやすみサフィニア」
入学許可証を受け取り、二人して入学する意思を伝えたからだろうか手紙の猛攻は収まり、約束通り家に帰るがてら家族五人で水族館へと向かった。
せっかくの誕生日だというのにバーノンもペチュニアも誕生日の主役であるハリーさえも終始無言でダドリーとサフィニアは三人の側を彷徨いては少しでも場の雰囲気を良くしようと立ち回ったが雰囲気が良くなり事は無かった。
そのまた翌日にはバーノンは何時もの様に戻り朝食時には軽いジョークを言って会社へと出勤して行った。
問題はペチュニアとハリーの方であの嵐の晩以来二人が口を聞いた姿をサフィニアもダドリーも見ていない。
「・・・なあ、サフィニア。ママとハリーのあの気まずい雰囲気何とかしてくれよ」
「ダドリー、無茶言わないで」
読書をしていたサフィニアの部屋に入ってきたダドリーのお願いを却下すれば余程二人の雰囲気に堪えているのかさっさと外へ遊びに逃げてしまった。
今日はペチュニアと一緒に三人で庭の手入れをすると前から約束していたにも関わらずである。
前からの約束であるのでこれ以上人数を減らす訳には行かずそろそろお声がかかるだろうかという時間に一階へ降りるとペチュニアとハリーがテーブルを挟んで向かい合い神妙な面持ちで何やら話込んでいるのでサフィニアは思わず回れ右をした。
「サフィニア、ちょっと此方へいらっしゃい」
がペチュニアに見つかり呼び出された為大人しくダイニングに戻る。
ハリーとの話は終わったらしくハリーはあの嵐の夜以来沈んでいた顔色を明るくさせてサフィニアとは入れ替わりでダイニングから出て行った。
ハリーの座っていた席に座りサフィニアはペチュニアと向かい合う。
「・・・まさか、私の娘が魔女なんてね」
溜息と共に溢れた言葉にサフィニアはどきりとした。
嵐の夜の会話ではペチュニアはバーノン以上に魔法界を嫌っている様にサフィニアは感じていた。
それはハリーの母親でありペチュニアの妹である叔母が関係しているのを何となく感じてはいた。
「ママは私が魔女で悲しい?」
「悲しいというより寂しいわ。貴女とハリーは地元の公立校に通う予定だったからね」
元々進学先はバーノンの会社を継ぐ予定のあるダドリーが父の母校であるスメルティングズに、サフィニアとハリーは近場にある公立校に通う筈だったのにまさかここに来て二人が全寮制の学校へ通う事になったのである。
「ハリーはともかく貴女が私達に相談もなく勝手にホグワーツに行くと返事をするものだから驚いたよ」
「そ、それはごめんなさい」
ハリーは仕方無いにしもサフィニアは入学に際し相談すべき相手が側にいたのだ。
にも関わらず両親に伺いをたてずに入学を決めてしまったのはサフィニアでも軽率だと思った。
「だけど、魔力を制御出来ないと周りが危険だって聞いたら」
サフィニアは自分がとても恐ろしいものに感じた。
両親にも双子の兄にも話した事は無いが不思議な力は何時もサフィニアが困った時に助けてくれた。
怪しい大人に追いかけられた時は泣きながら走って逃げてれば瞬きした瞬間に自室にいたしダドリーと仲の悪い同級生に叩かれそうになった時はまるで静電気の様な力が叩こうとしたその手を弾いてくれた。
他にも説明し難い不思議な経験はいくつもある。
そんな決して弱くない力が自分の家族を傷付ける可能性があると聞いてサフィニアはじっとしていられなかった。
サフィニアは自分の気持ちと今さらもう遅いが改めてペチュニアにホグワーツに通う事をお願いした。
次に口を聞いたのはペチュニアで、彼女は唐突に家族で唯一魔女であった彼女の妹の話をしだした。
仲の良い姉妹であったが妹のホグワーツ入学が決まりそこから姉妹の仲が急速に悪くなった事。
そして仲は険悪に、喧嘩別れの様な形になってしまい彼女の妹は魔法使いの男性と結婚した後に魔法界で悪い魔法使いに殺されてしまった事。
ペチュニアは表情を歪ませ両手で顔を覆った。
「可愛い娘と甥が魔法学校に行ってしまうのは寂しいわ。でもそれ以上にあの子の様に悪い魔法使いに襲われて死んでしまうんじゃないかって恐ろしい」
それでも行ってしまうのかと尋ねられサフィニアは頷く。
「ママの話で魔法界が恐ろしいのは分かったけど、それでも私はこの不思議な力をコントロールする術を学びたい」
だから、とサフィニアは頭を下げる。
「私をホグワーツに行かせて下さい」
頭を下げて暫く向かいに座るペチュニアから溜息が聞こえた。
ペチュニアの顔色を伺おうとサフィニアは少し顔を上げると彼女は頭が痛むのだろうか眉間を指で揉んでいる。
「そこまで意思が固いのなら私はこれ以上言うことは無いわ。ホグワーツに行く事も止めない」
「じゃあ!」
「あちらの学校でしっかり学びなさい。親の目が無いからって勉強が疎かになったらすぐにこちらに連れ戻すからね」
「私、頑張って勉強するわ」
ペチュニアからホグワーツへの入学の許可を貰ったサフィニアは勢いよく椅子から降りるとペチュニアに抱きついた。
ペチュニアはそんなサフィニアの頭を撫でると抱き締め返し、サフィニアを腕の中に閉じ込める。
「ちょっと前までは三人共小さな赤ん坊だったのにいつの間に大きくなったのかしら」
「ダドリーはちょっと育ち過ぎな所があるけどね」
寂しさを声に滲ませるペチュニアを明るくさせようとサフィニアは心の中でダドリーに謝りながらそう言えばペチュニアは少し鼻声混じりに笑う。
「そうね。ダドちゃんはちょっと育ち過ぎだから新学期前までに少し痩せないといけないわね」
ついでにと夫のダイエットまで計画し出すペチュニアにダドリーに重ね重ね、とばっちりを受けたバーノンにサフィニアはまたも心の中で謝った。
ホグワーツへの入学についてペチュニアからバーノンーへ説明してくれたのかその晩にはサフィニアとハリーは並んでバーノンから七年間の学校生活を頑張るよう激励を受けた。
ダドリーはあの嵐の夜言っていた事をまだ諦めていなかったのか自分も二人と一緒にホグワーツへ行くと駄々をこねたがダドリーには入学許可証が来ていないから通えないのだとペチュニアに言われて大泣きをし、今度はサフィニアとハリー二人してダドリーを慰めた。
最後はハリーと二人で暫く内緒話をした後、まめに手紙を送る事で落ち着く。
それからカレンダーを斜線で埋めて数日、魔法界へ学用品を買いに行く日を迎えた。