アレキサンドライトの瞳
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朝食用にベーコンを焼いていたベリルに祖父は声をかけた。
彼が掲げたのは白い封筒にエメラルドの文字、ベリル宛てだという手紙を受け取ったベリルははて、と頭を傾げた。
上質な厚手の紙を使った封筒。
封蝋迄されていてまるで舞踏会の招待状の様なそれに覚えが無いベリルは何度も封筒を裏表に返した。
丁度ベーコンが焼きあがった為、手紙の検分は後にしようとカウンターへ手紙を避難させた所でリビングの暖炉が緑の炎を上げて燃え上がる。
その轟々と燃える火を見て紅茶を飲んでいた祖父は「彼がお出ましだよ」とベリルに向かって笑って見せた。
「やあ、ベリル!良い朝だね。あ、今から朝食かい?僕の分はスクランブルエッグ、ベーコンは3枚で頼むよ」
突然煙突飛行粉でやって来た癖毛に眼鏡の少年は朝の挨拶もそこそこに祖父の隣の席に着くと当たり前の顔をして朝食のリクエストをする。
そんな少年をベリルは睨みながらも出来たばかりの朝食を祖父の元へ運んだ。
「飲み物は如何するかねポッター少年」
出来たての朝食を前に読んでいた新聞を机の隅に置いた祖父はポッター少年事、ジェームズ・ポッターに尋ねた。
「紅茶でお願いしますミスター・フルオライト」
ジェームズの要望を聞いたベリルが紅茶を淹れ様とキッチンから動いた所で祖父は此方は良いからと静止する。
ベリル用に出していたカップを引き寄せて紅茶を淹れる祖父、それを当たり前の顔をして受けているジェームズの顔に溜息を零しながらも追加となった朝食の用意にベリルは動いた。
「それで今日は何か用?」
と尋ねてはみたベリルであるがそもそも彼からのまともな返答を期待していない。
ジェームズの両親とベリルの父親が同じ学校の先輩後輩という縁で幼い時から付き合いはあるが彼がわざわざこうしてマグルの世界にあるベリルの家にやって来るのにまともな理由があった試しが無い。
一昨日来た時はマグルの世界にある公園に行きたいから、そのまた前はマグルのお菓子が食べたい。
そのまた前は、とわざわざ家の暖炉を使ってまで来る事ないだろうという理由で毎度突然やって来る。
「何時も言ってるけど」
「来るならせめて何日か前に梟を寄越せだろ?」
分かっているよと祖父の淹れた紅茶を片手に笑った幼馴染にベリルはだったら何故今迄一度もそうしないと顔を歪ませた。
そうこうしている合間にスクランブルエッグとベーコンが出来上がり皿へと盛り付ける。
昨晩の残りのスープとサラダ、軽くトーストしたパンを添えてジェームズの前に出した。
「うん、やはり君の家の朝食は美味しいね」
「屋敷しもべ妖精のいる坊っちゃまに褒められて光栄ですわ」
ベリルの嫌味に反応したのはジェームズではなく祖父の方であった。
「屋敷しもべ妖精とは何なんだい?」
聞き慣れない言葉に祖父は朝食の手を止めて二人に尋ねる。
「こっちで言うメイドさんや執事みたいな事をしてくれる妖精の事よ」
「魔法使いに仕えて日常の家事や雑用をこなしてくれるんです」
娘の夫が魔法使いという事で魔法族の存在を知った祖父は時偶にジェームズとベリルの会話に首を突っ込む。
妖精と聞いて童話に出て来る蝶の様な羽根を持つ小人でも想像していたのかジェームズの具体的な様相の説明を聞いて少年の様に輝かせていた表情を曇らせた。
明らかに残念そうな祖父にジェームズは頭を傾げ、ベリルに向き直ると何処かともなく見覚えのある封筒を取り出してベリルの目の前に掲げる。
「ホグワーツから入学許可証が僕の所に届いたんだよ」
君の所にも来ただろうと言われてベリルはカウンターに避難させていた手紙の存在を思い出した。
放置したままの手紙を手に取り、ジェームズに開ける様促されて封蝋を切る。
封筒の中にはホグワーツ魔法魔術学校への入学を許可する旨と入学に際し必要となる学用品の一覧が書かれていた。
「ホグワーツ魔法魔術学校・・・」
「僕の両親と君の父親の母校さ」
父親の母校と聞いて数年前に亡くなった父親の顔が頭によぎった。
ジェームズと知り合う少し前に話していた父親の昔話。
優しい先輩に可愛い後輩、優しい先生と厳しい先生。
まるで夢物語の様な父親の母校の話に幼いベリルはいつか父親と同じ学校に通いたいと夢に見た。
それが現実となり、入学許可証はベリルの手の中にある。
ベリルは居住まいを正すと祖父の方へ向き直り、頭を下げた。
「おじいちゃん私をホグワーツへ行かせて下さい」
既にベリルは地元にあるパブリックスクールへの入学が決まっていたのだ。
「ポッター少年、ホグワーツではどんな事を習うのかね」
「主に魔法、後は魔法薬に変身術」
ジェームズから変身術と聞いて祖父はまたも瞳を輝かせた。
詳しくと説明を求められて変身術では自身を動物に変えるだけでなく無機物迄も変身させる事が出来ると聞き祖父の興奮は止まらない。
「ホグワーツに行きなさい」
しっかり学ぶんだよと優しく微笑んだ祖父にベリルは両手を挙げて喜んだ。
祖父に抱きつき礼を伝え、祖父の頬に感謝のキスをした所で落ち着いて来たベリルは早速ホグワーツに向かって返事を書かなければと梟を呼んだ所でジェームズがその必要はないと言った。
肩に梟を止まらせたベリルはどういう事か尋ねる。
「僕の返事を送る序でに君の分の返事を送ったから必要ないよ」
「いつの間に」
この僅か数分の間にそんな事が出来たのだろうか考えていればジェームズは返事を自宅にいる時に送ったのだと言った。
「それって私に手紙が届いてるかわかる前でしょ?」
「君にも手紙が届いてるって僕には自信があったからね」
そう言ってジェームズはキッチンのシンクを指差す。
指差す先では宙に浮いた皿が同じく宙浮いたスポンジで磨かれている。
「杖無しでそこまで魔法を操れる君がホグワーツに入学出来ない訳無いだろ?」
そうジェームズは肩を竦めて言った。
彼が掲げたのは白い封筒にエメラルドの文字、ベリル宛てだという手紙を受け取ったベリルははて、と頭を傾げた。
上質な厚手の紙を使った封筒。
封蝋迄されていてまるで舞踏会の招待状の様なそれに覚えが無いベリルは何度も封筒を裏表に返した。
丁度ベーコンが焼きあがった為、手紙の検分は後にしようとカウンターへ手紙を避難させた所でリビングの暖炉が緑の炎を上げて燃え上がる。
その轟々と燃える火を見て紅茶を飲んでいた祖父は「彼がお出ましだよ」とベリルに向かって笑って見せた。
「やあ、ベリル!良い朝だね。あ、今から朝食かい?僕の分はスクランブルエッグ、ベーコンは3枚で頼むよ」
突然煙突飛行粉でやって来た癖毛に眼鏡の少年は朝の挨拶もそこそこに祖父の隣の席に着くと当たり前の顔をして朝食のリクエストをする。
そんな少年をベリルは睨みながらも出来たばかりの朝食を祖父の元へ運んだ。
「飲み物は如何するかねポッター少年」
出来たての朝食を前に読んでいた新聞を机の隅に置いた祖父はポッター少年事、ジェームズ・ポッターに尋ねた。
「紅茶でお願いしますミスター・フルオライト」
ジェームズの要望を聞いたベリルが紅茶を淹れ様とキッチンから動いた所で祖父は此方は良いからと静止する。
ベリル用に出していたカップを引き寄せて紅茶を淹れる祖父、それを当たり前の顔をして受けているジェームズの顔に溜息を零しながらも追加となった朝食の用意にベリルは動いた。
「それで今日は何か用?」
と尋ねてはみたベリルであるがそもそも彼からのまともな返答を期待していない。
ジェームズの両親とベリルの父親が同じ学校の先輩後輩という縁で幼い時から付き合いはあるが彼がわざわざこうしてマグルの世界にあるベリルの家にやって来るのにまともな理由があった試しが無い。
一昨日来た時はマグルの世界にある公園に行きたいから、そのまた前はマグルのお菓子が食べたい。
そのまた前は、とわざわざ家の暖炉を使ってまで来る事ないだろうという理由で毎度突然やって来る。
「何時も言ってるけど」
「来るならせめて何日か前に梟を寄越せだろ?」
分かっているよと祖父の淹れた紅茶を片手に笑った幼馴染にベリルはだったら何故今迄一度もそうしないと顔を歪ませた。
そうこうしている合間にスクランブルエッグとベーコンが出来上がり皿へと盛り付ける。
昨晩の残りのスープとサラダ、軽くトーストしたパンを添えてジェームズの前に出した。
「うん、やはり君の家の朝食は美味しいね」
「屋敷しもべ妖精のいる坊っちゃまに褒められて光栄ですわ」
ベリルの嫌味に反応したのはジェームズではなく祖父の方であった。
「屋敷しもべ妖精とは何なんだい?」
聞き慣れない言葉に祖父は朝食の手を止めて二人に尋ねる。
「こっちで言うメイドさんや執事みたいな事をしてくれる妖精の事よ」
「魔法使いに仕えて日常の家事や雑用をこなしてくれるんです」
娘の夫が魔法使いという事で魔法族の存在を知った祖父は時偶にジェームズとベリルの会話に首を突っ込む。
妖精と聞いて童話に出て来る蝶の様な羽根を持つ小人でも想像していたのかジェームズの具体的な様相の説明を聞いて少年の様に輝かせていた表情を曇らせた。
明らかに残念そうな祖父にジェームズは頭を傾げ、ベリルに向き直ると何処かともなく見覚えのある封筒を取り出してベリルの目の前に掲げる。
「ホグワーツから入学許可証が僕の所に届いたんだよ」
君の所にも来ただろうと言われてベリルはカウンターに避難させていた手紙の存在を思い出した。
放置したままの手紙を手に取り、ジェームズに開ける様促されて封蝋を切る。
封筒の中にはホグワーツ魔法魔術学校への入学を許可する旨と入学に際し必要となる学用品の一覧が書かれていた。
「ホグワーツ魔法魔術学校・・・」
「僕の両親と君の父親の母校さ」
父親の母校と聞いて数年前に亡くなった父親の顔が頭によぎった。
ジェームズと知り合う少し前に話していた父親の昔話。
優しい先輩に可愛い後輩、優しい先生と厳しい先生。
まるで夢物語の様な父親の母校の話に幼いベリルはいつか父親と同じ学校に通いたいと夢に見た。
それが現実となり、入学許可証はベリルの手の中にある。
ベリルは居住まいを正すと祖父の方へ向き直り、頭を下げた。
「おじいちゃん私をホグワーツへ行かせて下さい」
既にベリルは地元にあるパブリックスクールへの入学が決まっていたのだ。
「ポッター少年、ホグワーツではどんな事を習うのかね」
「主に魔法、後は魔法薬に変身術」
ジェームズから変身術と聞いて祖父はまたも瞳を輝かせた。
詳しくと説明を求められて変身術では自身を動物に変えるだけでなく無機物迄も変身させる事が出来ると聞き祖父の興奮は止まらない。
「ホグワーツに行きなさい」
しっかり学ぶんだよと優しく微笑んだ祖父にベリルは両手を挙げて喜んだ。
祖父に抱きつき礼を伝え、祖父の頬に感謝のキスをした所で落ち着いて来たベリルは早速ホグワーツに向かって返事を書かなければと梟を呼んだ所でジェームズがその必要はないと言った。
肩に梟を止まらせたベリルはどういう事か尋ねる。
「僕の返事を送る序でに君の分の返事を送ったから必要ないよ」
「いつの間に」
この僅か数分の間にそんな事が出来たのだろうか考えていればジェームズは返事を自宅にいる時に送ったのだと言った。
「それって私に手紙が届いてるかわかる前でしょ?」
「君にも手紙が届いてるって僕には自信があったからね」
そう言ってジェームズはキッチンのシンクを指差す。
指差す先では宙に浮いた皿が同じく宙浮いたスポンジで磨かれている。
「杖無しでそこまで魔法を操れる君がホグワーツに入学出来ない訳無いだろ?」
そうジェームズは肩を竦めて言った。