第1話-出会い-
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何かあったら必ず言えって
無理はするなってどういうこと………?
考えても分からない問いを何度も考えた
「お!きたきた!」
クラスに戻ると、エレン、ミカサ、アルミンの3人が待っててくれていた
「あ………ごめん、お待たせ」
「よし!腹も減ったし、行こうぜ!」
「優佳は電車できてるの?」
帰り支度をしながらアルミンがそう訪ねてきた
「うん、みんなは?」
「僕達も電車なんだ!そしたら駅近くのファミレスに行こう」
「そうだな!そうしよう!」
クラスを出て歩き出すと
「優佳とミカサもそれでいい?」
と、アルミンがまた尋ねてきた
「うん!賛成」
「私は………、エレンがいる場所ならどこでもいい」
ミカサの真っ直ぐな言葉にエレンは頬を染めていた
ほぉ〜………と茶化したい気持ちを押さえ、私は皆について行った
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「外側からウォールマリア、ウォールローゼ、ウォールシーナ。その壁に囲われて僕達はウォールマリアの南側、突出したシガンシナ区で暮らしていたんだ。優佳も僕らと同じ、シガンシナ区で暮らしていたんだよ」
ファミレスに入り、私とアルミンは隣同士で座り
エレンとミカサは一緒に座った
嬉しそうなミカサとは反対にエレンはそっぽを向いていた
各々で食べたいものを店員さんに注文して、前世の話を詳しく聞きたい、と3人に伝えるとアルミンが紙とペンを出して説明を始めてくれた
「でも初めて会ったのは訓練兵団?だっけ?そこ入った時なんだよね?」
「うん。訓練兵団で優佳を見た時は驚いたよ」
「ああ、俺も」
アルミンに続き、エレンもそう言う
「驚いたってなにに?」
「…………ものすごい冷たい目をしていたんだ」
「………え?」
「この世の何も信じられないような、そんな顔をしていた。訓練を共にしていく内に、だんだんと打ち解けていく優佳を見て安心したけど、巨人を目の前にすると、出会った頃のようなあの冷たい目に戻るんだ」
「相当な恨みがあったんだろうな、巨人に」
アルミンとエレンの話に、私は息を飲んだ
「ね、ねぇ………、どうして私たちは巨人と戦っていたの?」
「…………どこから話せばいいのか。街を囲う壁は50mの高い壁だった。100年間、巨人の侵入は無く、街の人は安心しきっていたんだ。ある日、超大型巨人というその壁をも超える巨人が、シガンシナ区の扉を破り、そこから巨人の侵入を許してしまった。そして鎧の巨人、鎧を纏ったかのように固い巨人がウォールマリアの扉を破壊し、僕達はウォールローゼまで後退することになったんだ」
アルミンが紙に書いてくれた図を見ていると、ぐっと理解が深まる
「………巨人は人間を喰う。俺の母さんも巨人に喰われたんだ。故郷も母さんも奪われて、そこから全巨人を駆逐してやるってそればっかりだった。まぁ元々、壁の外には何があるのか、自由を手に入れたくて調査兵団を目指してはいたけどな」
エレンは飲み物を1口飲んだ
「…………そう、だったの」
「でも、本当の始まりはもっと昔。ずっとずっと昔なんだ……」
「あの、アルミン………」
「ん?どうしたの?」
「………エレンもミカサも、こんな辛い記憶、無理に話さなくてもいいよ」
私の言葉に、3人は目を丸くした
「……………確かに、辛いことばかりだったよ。仲間の死、裏切り、予想だにしない事態、この壁の向こうには何があるのかという期待も、簡単に崩れた。仲間たちの死を目の当たりにしては、次は自分の番だと恐れた」
アルミンは静かに、そして思い出すかのようにゆっくりと話始めた
「…………だけど辛いことばかりじゃなかったんだ。出会えたかけがえのない仲間も、家族も、一緒にご飯を食べて、夢を語り合って、肩を寄せ合い、時には想いを馳せた。そして今こうしてまた出会えたことに意味があったんだと思うと、幸せだよ」
アルミンの言葉にエレンとミカサも大きく頷く
「………は!?お、おい!なんで泣いてんだよ」
エレンの驚いた顔を見て、私は涙を拭った
その涙は今まで感じたことがないほど暖かく、優しい気持ちになれた
「嬉しくて………。記憶は断片的でもこうして、また3人に会えた。本当に嬉しいの………」
「………そんなの俺達もだよ」
「………… 優佳は昔から泣き虫だった。初めて優佳が今みたいに泣いた時………、出会った頃の冷たい目は、我慢してるからそうなっていたんだと、私は気づいた。ので、私はあなたと仲良くすることを決めた。本当は心優しいただの女の子だと気づいたから」
「ミカサ、やけに饒舌だな」
「…………エレンから"ジョウゼツ"だなんて言葉が出てきたことに驚いた」
「なっ!お前俺をバカにしてんのか!?」
「事実を述べたまで」
「なんだと、このっ」
「まぁまぁ、2人とも!落ち着いて!」
「なんだよ、アルミン!お前もミカサの味方すんのかよ!」
「ち、違うよ!僕はただ止めようと……」
3人のやり取りを見て懐かしい気持ちになる
しばらく言い合っている3人を見つめているととあることを思い出した
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