第1話-出会い-
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「エルヴィン、入るぞ」
黙ってついて行くと、リヴァイ先生は
学年主任室と札がかかった部屋のドアをノックすると
向こう側から、ああ、という声が聞こえた
ドアを開けたリヴァイ先生は中に入ると
「早く入れ」
と、私の入室を促した
「し、失礼します」
その席に座る先生を見て、私は不思議な感覚に陥った
「初めまして、エルヴィン・スミスだ。学年主任を任されている。担当は世界史。よろしくな」
「は、はい!高橋 優佳です!」
私は右手で拳を作り、手の甲を下に向け左胸に当てた
「…………オイ、なんだそれは」
リヴァイ先生に言われるまで気づかなかった
自分で何をしてるのか、気づいた時にはそんなポーズを取っていた
「…………あれ?す、すみません!体が勝手に………」
「………まだ本調子じゃないのかな?大丈夫か?」
「い、いえ!そんなことは!すみません……」
「気にする事はないよ」
「だから俺は担任なんてごめんだと言ったんだ」
「リヴァイ、決まったことに文句を言うのか」
リヴァイ先生とエルヴィン先生の間に何やら不穏な空気が流れていて
大きく舌打ちをしたリヴァイ先生を見て
帰りたい…………なんて思ってしまった
「………エルヴィン、いい加減本題を話せ」
リヴァイ先生はそこにあったソファにドカッと腰をかけた
「本題?そんなものはない」
「あ?わざわざてめぇがこいつと話をしたいと言うから連れてきたんだろうが」
「…………ただ、顔を見たかっただけだよ」
「ふざけてんのか。授業でいくらでも見れるだろ」
「それに、私だけじゃない」
エルヴィン先生がそう言うとドアがバン!と大きな音を立てて、メガネをかけた女性が姿を現した
「いやー!すまない!少し遅れてしまったね!」
「クソメガネ、ノックをしろと毎回………」
「まぁ、いいじゃないか!リヴァイ!ん!?君が優佳だね?」
ずいずいと近寄るその人に私は少し後ずさりした
「は、はい………。そう、です……」
「んー!そっかぁ!やっと逢えたね!優佳!」
「え、どういう………」
"君の力が必要だ!"
その人はそんなこと言っていないのに、その人の声で再生される
体育館であった、リヴァイ先生の時と同じだ
「ハンジ………さん?」
「そうだよ!やっぱり!君は………」
「オイ」
リヴァイ先生の言葉にハンジさんは黙ってしまった
「それくらいにしておけ」
「もー!!せっかく会えたのに!あ!私の名前はハンジ・ゾエ!担当は生物!クラスは1組を受け持ってるよ!」
「あ、高橋 優佳です………。よろしくお願いします………」
「近い」
私の目の前にあったハンジさんの顔はリヴァイ先生によって離された
「もういいだろ。こいつだって先約がある」
「あ!そうだったの!?ごめんねぇ、引き止めて」
「い、いえ………」
「優佳」
「は、はい!」
エルヴィン先生に顔を向けると
「これから、またよろしくな」
と意味深な言葉を発したエルヴィンにリヴァイ先生は舌打ちをした
エルヴィン先生もハンジ先生も、なんで私を下の名前で呼ぶんだろう
「オイ、行くぞ」
「えっ、あ、はい!失礼します!」
私は2人に頭を下げ部屋を出た
「…………悪かった」
私の前を歩くリヴァイ先生は突然謝りだした
「………え?」
「あいつらが変なことを言ったな。代わりに謝る」
「い、いえ、そんな………」
「あいつらが待ってるんだろ」
「…………はい」
「………… 高橋」
「は、はい」
「………無理はするな」
「え?体調ならもう………」
リヴァイ先生は立ち止まり、振り返った
私に近づくと私の後頭部を取り、ぐっと引き寄せ
「約束しろ、絶対無理はしないと」
真剣な顔でそう言った
「は、はい………」
数センチの所にリヴァイ先生の顔がある
その目が私を捉えて離さない
「…………なにかあったら必ず言え。わかったな」
「は、はい」
「それでいい」
パッと手を離すとスタスタと歩き出したリヴァイ先生は、気をつけて帰れとそれだけ言って去っていった
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