第1話-出会い-
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「俺はさ、思ったんだよ。この海の向こう側にはまた人間がいて、同じように俺らと暮らしてんのかって。そう思ったらさ、ひどく落胆したよ」
"どうして?"
「どうして、か…………。ずーっと続いていくんだ。これが一生……永遠に。たぶん終わらない。終わらない物語なんだよ」
"………どうして泣いてるの?"
「お前だって泣いてんじゃねぇか」
"だって………、ここでお別れだなんて言うから"
「ああ、そうだ。次会うときは俺が死んだ後だ。そして誓うよ。俺はまたミカサとアルミンと出会って、そしてお前と出会う。ジャン、コニー、サシャ、ヒストリアもそうだ、絶対探し出す。だから」
それまで待っててくれよ
目が覚めると、いつも自分が目を覚ます場所ではないとすぐに分かった
「(病院………?)」
さっきの夢は何だったんだろう
もっと長く見ていたはずの夢は、ほんの一瞬、1分ももたないくらいの感覚だ
「目が覚めたか」
その声に目を向けると、そこにはリヴァイ兵長がいてすぐに学校の保健室だと理解した
そして、さっき頭に流れてきた声と同じだ
「…………リヴァイ…、兵長………」
「あ?お前寝ぼけてんのか。俺は兵長なんかじゃねぇ」
「え…………?」
「突然ぶっ倒れるもんだから、周囲は大騒ぎだ」
「そう………ですか………。すみません、ご迷惑を………」
リヴァイ兵長はコップ一杯の水を渡してくれ
それを受け取ろうと体を無理に起き上がらせると、響くような痛みが頭に巡った
「大丈夫か」
「はい、もう………大丈夫です」
「…………入学式早々こんなヘマをやらかす奴がいるとはな」
「…………すみません」
もらった水を全て飲み干すと
「まだ安静にしてろ」
と、空になったコップを奪い取り、リヴァイ兵長は私の肩を持ち、ゆっくりと寝かせてくれた
「…………私の事、覚えてませんか」
「…………どこかで会ったか」
こちらを一切見ないリヴァイ兵長に、私は勘違いだったのかと肩を落とした
「…………いえ、私の勘違いだったようです」
体育館で頭に流れてきた記憶の中に、リヴァイ兵長の柔らかい笑顔があった
普段は仏頂面で、恐れられていた兵長も
私の前ではたくさん笑ってくれていた気がする
そして、断片的な記憶では
私とリヴァイ兵長は前世で生涯を共にしている
私はこの人のことがずっと
ずっと、好きだった
明日も次の一瞬も生きていられるか分からない状況下の中で、私はリヴァイ兵長に恋心を抱いた
リヴァイ兵長は
「生きていられるかわからない状況下だからだ、だから俺もお前に誓う」
そう言ってくれた気がするのに
全部妄想なのか
私が都合いいように書き換えてるだけなんだろうか
今わかることはただ、1つ
私達は前世で出会ったことがあるということ
それだけは絶対に、間違っていない
「…………オイ、聞いてんのか」
「えっ!?」
「さっきからボケっとした顔しやがって」
「す、すみません………」
「…………1つ聞きてぇことがある。俺は名乗った覚えはねぇが、なんでお前は俺の名前を知ってる」
「えっ、えーっと、それは………」
「早く言え」
「…………じ、実は!あの、エ、エレンから……」
「エレン………?」
険しい顔がより一層険しくなった
「あ、私の、友達で………。この高校なんです。そのエレンからリヴァイ兵………、リヴァイさんのことを聞いて………、知ってたものですから」
「…………そうか」
見え透いた嘘でなんとかその場をしのいだ
とは言っても、リヴァイ兵長の呆れた顔を見れば私が嘘をついているなんてすぐにバレていると分かってしまう
「…………そのリヴァイさんって言うの、やめろ」
リヴァイ兵長は私が嘘をついているとわかっていて
何も言わなかった
「………え?」
「俺は教師だぞ。生徒からさん付けで呼ばれていたら、勘違いされる」
「…………そ、そうですよね。すみません」
先生だとわかってはいたが、こうも突き放されるとさすがに悲しくなってくる
「…………大丈夫そうなら教室へ行く」
「あ、もう、1人で大丈夫です………」
「…………お前そこは聞いてねぇのか」
リヴァイ先生の冷たい目に物怖じすると
「俺はお前の担任だろうが」
と、真っ直ぐに向けられた目を私はただ見つめていた
「……………え!?」
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