第3話-意識-
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「ここで一時休憩をする。15分だけだからな、遅れんなよ」
サービスエリアに着きバスから降りると、エレンがぐーっと背伸びをしていた
「エレン、爆睡だったね」
「よくあんなうるさいところで寝れる」
「でも結構バスの中とかで寝ると、頭冴えたりするよね」
私に続き、ミカサ、アルミンがエレンに言葉を投げかける
「アルミンの言う通り、家よりぐっすり寝れたわ」
「エレン、まさかまたミカサに肩借りてたの〜?」
そう冷やかすと
「ばっ、馬鹿言え!俺は1度だってミカサに肩なんて借りたことねぇよ!」
「嘘ばっかり。さっきまでエレンの頭がここにあって、まだ重みを感じる」
右肩をさするミカサに
「お、おい!ミカサ!なんで言うんだよ!」
「……………つい」
そんなやりとりに笑っていると
バスの後方でうずくまっている女子と、その子の背中をさする女子がいた
「気持ち悪いのかな………」
背中をさする女の子はクラスメイトのサチだと気づいた
あのうずくまってる子はユキ………?
と、2人にに歩み寄ろうとすると
「俺が行く」
と、先生に腕を取られた
スタスタと歩き出した先生はサチに声をかけ
カバンから紙袋を取り出し、ユキの口元まで持ってった
先生はユキの腕を自分の腰に巻き付け、
支えるように起きがらせると、ゆっくりと背中をさすり出した
ユキは紙袋を膨らませたり、すぼめたりしていて背中からその苦しさが伝わった
「たぶん、呼吸がしずらくなっちゃったんだと思う」
「………え?」
「ああやって紙袋から自分の息を吐いて、吸ってを繰り返すと呼吸が安定してくるんだ」
「そう………なんだ………」
先生はその後、背中をさすっていたサチに何かを伝えると
サチは私たちが向かう方へと歩き出した
「………大丈夫?」
私はサチに思い切って話しかけた
「あ、うん!ユキ、ここに着いてからなんかしんどそうで………。呼吸がどんどん乱れていくから焦ったんだけど、先生が来てくれて、今少しだけど落ち着いてる」
「そっか………」
「私も早くトイレを済ませて来いって言われちゃった!先生来てくれたから大丈夫だろうし、行ってくるね!ありがと!」
サチは足早にトイレへと向かった
「俺達も行こうぜ」
「……………うん」
先生がユキに言ったことはきこえなかったけど、口の動きで
大丈夫、大丈夫だから、ゆっくり呼吸しろ
と何度も何度も声をかけていた
「優佳、行くぞ!」
エレンに声をかけられるまで、私は2人の様子を見ていた
ただ呆然と、ただ真っ直ぐに
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ミカサとトイレから出るとベンチに座るアルミンと
しゃがんでアルミンを見つめるエレンが目に入った
「どうしたの!?」
2人に駆け寄ると
「気持ちわりぃんだって」
と、エレンは困った顔でそう言った
「え!?アルミン、いつから!?」
「さっき………、トイレ入ってから段々気持ち悪くなってきて………、さっきまではそんなこと無かったのに………」
「バス乗る前、酔い止め飲んだのか?」
エレンの言葉にアルミンはゆっくり頷く
「水買ってくるよ、待ってて」
私は3人を置いて、水を買いに行くと
「オイ、早くバスに乗れ」
とリヴァイ先生に声をかけられた
「せ、先生!アルミンが!アルミンが気持ち悪いって!」
先生は周囲を見渡すとアルミン達を発見しすぐに駆け寄った
私もすぐに水を買い、皆の元へと走った
「アルミン、水………」
買ってきた水のキャップを、開けアルミンに渡すと
それをおぼつかない手で受け取り、ゆっくりと飲み始めた
「大丈夫だ、ゆっくりでいい」
「…………すみません」
「謝ることじゃない。大丈夫だ」
先生はアルミンに対しても、何度も何度も大丈夫だと伝えていた
そして先生は何度もアルミンの背中をさすっていて
私はその光景をじっと見ていた
「…………もう、大丈夫です。すみません、遅れちゃって」
「大丈夫だと言ったろう。もしまた厳しいようならバスには先に行っててもらう」
「いえ、大丈夫です………乗れます」
「………そうか。お前ら、先に行ってバスに乗れ。運転手にもう時期全員揃うと伝えろ」
「わ、分かりました」
私達はアルミンと先生を残して、バスに向かった
運転手さんにもうすぐ揃いますと伝えると大丈夫だよ〜と笑ってくれた
さっきバスの後方でうずくまっていたユキが
ここに来るまでリヴァイ先生が座っていた場所に座っていた
「ユキ具合………どう?」
「あ、ありがとう………。もう大丈夫!」
少し顔色が悪かったけど、その笑顔を見て安心した
私は自分の席に座り、先生とアルミンの到着を待った
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