第3話-意識-
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「す、好き!?」
お弁当を頬張るエレンに対して、ミカサとアルミンは
静かにお弁当を食べている
彼らの優しさにこれ以上甘える訳には行かないと
私はリヴァイ先生のことが好きだと伝えると
エレンは驚いた後、ゴホゴホとむせていてご飯が詰まったのか
ミカサがお茶のペットボトルを渡した
「な、ほ、本気だったのかよ!」
エレンの言葉にただ、頷いた
唖然とするエレンとは逆にアルミンとミカサは黙って私の話を聞いてくれる
「…………最初はリヴァイ先生に会って、前世で好きだった人と会えてすごく高揚した。入学式から数日間、先生と一緒にいる回数が多くて………、私は前世とか関係ない、私は今のはリヴァイ先生が好きなんだって気づいたの………」
「優佳………」
「…………わかってるよ、先生と生徒で恋なんて実らないってことくらい。しちゃいけないんだって言われてることくらい分かってる。でもそれで消えるもんなの?……………そんなんで諦めきれるもんなの?」
隣に座るアルミンは私を呼んでから背中をさすってくれる
「…………リヴァイ先生は、この気持ちを前世を引きずっているんだと言った」
「先生に言ったのか!?」
「……………うん。けど先生に前世の気持ちを引きずるなって、ここに持ってくるなってそう言われてさ」
「ひでぇな………」
エレンとアルミンは肩を落とした
「……………私も前世を引きずってると思う」
ミカサの声に3人が真剣な表情を見た
「ミカサ………、お前何言ってんだよ」
ミカサもリヴァイ先生と同じことを言うのか
「…………私もそうだった。エレンと再会して、泣きじゃくった。エレンに引かれるほど。また会えたんだ、この平和な世界で私はエレンと、同じ道を歩めるんだって。でもそれは前世を引きずってるからなんだと気づいた」
ミカサはそのまま言葉を続けた
「前世とか、過去とか、記憶とか………、そんなの引きずっててもエレンが大事。私の隣にいて欲しい。歳を取っても、私はエレンから離れない。前世の呪縛だと思った。けどそれがなに?前世を引きずって何が悪いの?やっと出会えた大事な人を、想ってて何が悪いの?」
ミカサは真っ直ぐ、私を見たまま、強くそう言った
「…………前世であなたとリヴァイ………先生の間に何があったかなんてわからない。けど、その気持ちが、もう離れたくないって、ずっと一緒にいたいって前世からの言葉なんじゃないの?前世からの想いを無下にするなんて、私には考えられない」
「ミカサ………」
「ようやく出会えたんでしょ。ならあなたが大事にしなくてどうするの。先生とか関係ない。あなたの気持ちを大事にして」
ミカサに言われて、私はまた涙が溢れた
「………でも、私はリヴァイ先生を傷つけたくない。この気持ちで先生が傷つくのなら、困ってしまうならもういっそと………」
「さっきと言ってることが矛盾してる。あなたはそんなんで諦めきれるもんなの、そう言った」
「…………そうだけど」
「明日も数秒後も生きられるかわからない世界で私たちは生きていた。それが今は幸せなことに、そんな確率は激減している。事件や事故に合わない限り、私たちは数秒後に命を落とすなんてことはない」
ミカサはテーブルに置いた手をぎゅっと握りしめた
「この世界で、今世で、あなたがリヴァイ先生に抱いた想いをあなたがちゃんと抱えてあげなくちゃ、また来世で同じことが繰り返される。そもそも、来世で私たちが会えるなんて保証はない。あなたとリヴァイ先生が会えるなんて保証はない。だったら今生きている今世で、ちゃんと向き合わなくちゃ」
「ミカサぁ…………」
ミカサは涙が止まらない私に、ハンカチを差し出してくれた
「…………ので、私は諦めない。何度エレンに断られようが、私はエレンが好き」
「……………はぁ!?け、結局その流れかよ!」
エレンは顔を真っ赤にして、ミカサとは逆方向を向いた
「伝えない言葉は無いとの同じ。伝えなきゃ伝わらない」
「…………僕もそう思うよ。ミカサの言う通りだと思う。やっと出会えたんだ。大切にしようよ!僕も協力するから!」
「…………あの人の喜ぶ顔はそんなに興味はないが、あなたの喜ぶ顔なら見たい」
「お、俺も協力するけどさ………」
さっきのミカサの言葉はスルーかよ、と言いたげな顔のエレンを見て思わず笑みが零れた
「…………ありがとう」
3人は、ほっとしたような顔で微笑んでくれた
「……………あ、そうだ。みんなに聞きたいことがあったんだけど」
「ん?なんだ?」
「3人はさ、入学する前からリヴァイ先生が今世にいるってこと知ってた?」
私の質問に、3人は目を丸くした
「…………会ってねぇよ」
「あ、会ってないよ!ねぇ、ミカサ!」
「…………会ってない」
3人とも会っていないと言うんだからと
私はそっか、と小さく呟いた
「…………なんで、そんなこと聞くんだよ」
「え?ああ……….、入学式の日、ファミレス行ってさ、私がリヴァイ先生のことを聞いたの覚えてる?」
「あ、ああ………。覚えてるよ」
「エレンがリヴァイ先生は何も覚えてないって言うから、私と出会う前から知ってたのかなって、気になってて………」
「あ、ああ!それは入学式が終わってリヴァイ先生がクラスに入ってきた時、何食わぬ顔で俺らを見てたから、先生は覚えてないんだろうなって………!」
「…………うん、普通前世の記憶があるとしたら、入学式の日の私たちみたいな事になってる」
「そう、だよね!」
「そ、そうだよ!ほら!昼休みが終わっちまう!早く弁当食べようぜ!」
「…………うん!」
その時、私は3人が残した大ヒントに気づけないでいた
知っていたか、という質問に
3人は会っていないと答えたのだ
そのヒントに気づけていたら
もっと早くにリヴァイ先生の思いを知れていたんだろうか
そんなことに気づくのはもっともっと先だった
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