第2話-馳せる-
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「リヴァイ先生、失礼します」
このドアをノックするのはもう3度目だ
慣れたようにドアを開け、準備室に入った
「…………あれ、いないや」
スタスタと歩き準備室を進んだが、そこに先生の姿はなかった
本棚にある本を手に取り広げてみる
が、何が書いてあるのか全くといっていいほどわからない
静かに本を閉じ、静かに本棚に戻す
昨日と同じ椅子に座り先生をひたすら待った
が、一向に先生は現れない
もう20分は待っているだろうか
「(遅いなぁ………)」
なんて思っていると、ガラッとドアが開いた
「あ、し、失礼してます………」
先生は、私を見るなり面食らった顔を見せた
「…………お前、何してる」
「え………?先生が来いって言ったんですよね?」
「そう、だが………、あいつらと帰ったんじゃなかったのか?」
ますます先生の言っていることが分からない
「……………?私は用事があると言って、エレン達には先に帰ってもらいましたけど……」
「……………そうか、間違えたみたいだ」
頭の上にはハテナが浮かぶ
「あの、どういうことですか?」
「いや………、こっちの話だ。いつから待ってた」
「えっと………に…………、5分前くらいですかね!」
「嘘をつくな」
「……………20分くらいです」
先生に嘘は効かないみたいだ
「そうか、すまなかった」
「い、いえ!勝手に待っていたのは私なので………」
「それでも呼び出したのは俺だ。すまない」
先生は戸棚をガタガタを漁ると
「紅茶、好きか」
「え?こ、紅茶?」
「待たせた詫びに一杯いれてやる。嫌いならそう言え」
「あ、い、いえ!好きですけど………、そんな気にしないでください!」
「いいから」
先生は黙々と紅茶の準備を始めた
ティーカップとその下に敷かれるお皿がが重なる音
ポットから注がれるお湯の音
ティースプーンが置かれる音
そのどれもが私の耳に強く残った
コーヒーじゃなくて、紅茶かぁ〜………
と自分が考えていたことが外れちょっと悔しかった
コトンと私の前に置かれた紅茶を見て
「………ありがとうございます」
と伝え、リヴァイ先生を見た
「ああ」
ぶっきらぼうに言った先生は私より離れた席、昨日の朝と同じ席に座った
てかなんで紅茶?
先生、紅茶好きなの?
コーヒーではなく??
え、かわ……………
私は咳払いをし、その紅茶を1口飲んだ
「美味し………」
ふわっと香るダージリンの香りと少し渋めの深みのある味
「それはよかった」
独特なティーカップの持ち方で、紅茶を飲み始める先生に対し
「(変な持ち方………)」
なんて思ってしまった
私はもう1つ咳払いをし
「…………先生は紅茶好きなんですか?」
と、尋ねた
「ああ、好きだ」
質問を間違えた
よく紅茶を飲まれるんですか?と聞いた方がよかった
そんな目を見て好きだなんて言われたら
もうほんとにいたたまれなくなる
「コ、コーヒーではなく?」
私の質問に先生はこれでもかと言うくらい嫌そうな顔をした
「……………コーヒーは、嫌いだ」
「え!そうなんですか!?」
「そもそも、なんであんな黒い水を飲まなきゃならねぇ。にげぇし、美味くねぇし、鬱になる」
ふふふ、と堪えるように笑うと
「…………笑うな」
と叱られてしまった
「すみません、つい」
「…………砂糖と、ミルクもあるが使うか」
「い、いえ!このままで大丈夫です!とっても美味しいので」
「そうか」
先生はコトンと下のお皿にティーカップを置いた
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