第2話-馳せる-
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「来月、校外学習がある。4人から5人のグループを作れ、自由に決めていい。作ったら紙にメンバーの名前を書いてもってこい。紙は何でもいい。ホームルームを終わりにする」
朝のホームルームでは、昨日あれから先生が1人でまとめたであろう
校外学習の資料がクラスメイト全員に配られた
クラスを出ていった先生を、少しタイミングをずらして追いかける
「せ、先生!」
私の声に足を止め、振り向いてくれた先生は
「なんだ」
と怪訝そうな顔でそう言った
「き、昨日はすみませんでした」
「用事があったんだろう。無理に付き合わせてすまない」
「い、いや、そうじゃなくて」
先生はスタスタと歩き出し、私の目の前に来ると
「何が違うんだ」
と、俯いた私の顔を覗き込んだ
「用事なんか………なかったんです」
「あ?どういうことだ」
周りに誰もいないことを確認し
「………いたたまれなくなって」
そう告げた
「…………そうか」
先生を盗み見ると目線だけそっぽを向けて、口元を手の甲で隠していた
「先生………?」
「………あの後、お前が帰った後、全部の資料をまとめるのは結構な労力だった」
「…………すみません」
「冗談だ」
先生は私の頭をポンポンと撫で
「次はお前の用事のないときに、頼むとしよう」
そう言って、微笑んだ
「……………あの、先生……」
「なんだ」
「私、全然気づかなくて………。アルミンに言われて気づいたんですけど………」
「何をだ」
「…………あの資料、クラスメイト一人一人に配って個々でまとめさせた方がずっと簡単なのに……、なんで、私とアルミンに手伝わせようとした………」
そこまで言うと先生は片手で私の両頬を掴み、それ以上喋れなくした
「しぇ、しぇんせ………」
「アホみたいな顔しやがって」
ふ、と笑った先生は私から手を離し
何も言わずその場を去っていこうと背を向けた
「……………手伝わせたら、まずかったのか」
「い、いえ!ただ………、アルミンからそう聞いて、確かにそうだなって……。なんでだろうって不思議に思って………」
「…………特に理由はない」
先生はそれだけ言って、去って行ってしまった
「…………用事じゃないって言ったのに」
私は掴まれた頬を擦りながらそう呟いた
もうだめじゃん、これもう…………
私、先生のこと………
ブンブンと頭を振って、クラスに戻った
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