第2話-馳せる-
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「あ!お前どこいってたんだよ!」
「ちょっと先生に用事があって」
クラスに戻るとエレンとミカサがアルミンのところに集まっていた
エレンが横目で私を見ながら、ふぅんと何か言いたげに呟いた
「高橋さんちょっといいかな」
私の前に数人の女子が集まった
「どうしたの?」
「もらった資料読んでたんだけど、ここの欄に学級委員の電話番号を書かなきゃいけないみたいで………良かったら教えてくれる?」
一体なんの為の欄なんだ、と不思議に思ったが
「うん!わかった!今から言うね」
と、私は各班長に電話番号を教えた
「アルレルト君もいいかな………」
「へっ!あ!う、うん!」
アルミンはしどろもどろに電話番号を教えていた
「…………お前、先生のことすきなのか?」
ありがとう、と女子達が去っていったあとエレンは突然そんなことを言い出した
「はぁ!?」
「うるっさ………」
「な、なんでそんな話になるのよ!」
「…………ひょっとして、本気だったりして」
「なわけないでしょ!!」
「エレン、そのくらいにしときなよ。エレンだってとある人の関係を聞かれたら怒るでしょ」
アルミンはニヤニヤとした顔でエレンにそう言うと
「ある人って………、誰?」
とミカサがとてつもなく怒りに満ちた顔をしていた
その背中からはゴゴゴゴと炎が見えそうなほどだ
「な、なんでもないんだよ!な!アルミン!」
「う、うんうん!ちょっとしたジョークだよ、ミカサ!」
慌てふためく2人をみて
「そう」
とミカサから闘気がシュルルルと消えていった
「あ、そ、そうだ!優佳、校外学習のグループだけど、この4人で一緒に組もうよ!さっきまでその話をしていたんだ」
「ああ!うん!ぜひ!」
「やったね!」
エレンもミカサもアルミンもみんな嬉しそうな顔をしてくれる
「ところで校外学習ってどこ行くんだろう」
アルミンは机に置かれた「校外学習について」としか書かれてていない1枚目の紙を見ながら腕を組んだ
「なんだアルミン、まだ読んでないのか?」
「うん………。エレンはもう読んだの?」
「いや、読んでねぇけど、アルミンのことだからもう読んでんのかと思ったよ」
「私も、まだ、読んでない」
3人と同じように私も読んでいない
昨日、放課後、あの作業をしていたのに、だ
つまりそれどころではなかったのだ
3人に悟られないように
「………私もまだ見てない」
そう呟いた
「じゃあ4人で読んでみようぜ!」
「うん、そうしよう!」
アルミンの資料を1枚捲ると、私たちは言葉を失った
「…………おい、まじかよ」
「なんで…………また」
「信じられない。高校生にもなって。私はエレンと水族館に行きたい」
「おまっ、それは、お前のただの願望だろ!」
「魚を見たあとに、魚を食べたい」
「残酷だな!」
「…………ハイキングって………、え?」
てっきり、どこか古風な街並みを歩いたり
某テーマパークだったり、ミカサの言う通り水族館だったり
校外学習という名前に心を踊らせていた
だがページをめくる事に、その文章は私たちを失望させた
「なんで、ハイキングなんだ………」
この中で1番エレンが肩を落としている
「ちなみにエレンはどこに行きたかったの?」
「…………特に考えてなかったけどさ!こういうのは古き良き街並みを歩いたり、キャラクターのいるテーマパークだったり…………すい…………だろ!」
エレンはたぶん水族館と言いたげだったが
さっきミカサに言われたからか、言葉を変えたのだろう
「………まぁ、確かに私も思ってたけど」
「よりによってハイキング………。なんだよ、ハイキングって………。何すんだよ………」
「あ!でも見て!ここに予定が書いてある」
その資料には簡潔にまとめると、
ハイキングにて宝探しを行う
10個のチェックポイントを通り、ヒントをもらう
そして、10個全てのヒントをつなげると宝がある場所にたどり着く
「宝…………探し…………」
「おい!宝探しだってよ!面白そうだな!」
私とは、いや3人とは裏腹にエレンは目を輝かせた
「あれ!?宝探しだぞ!?」
「幼稚」
「興味が無い」
「たしかに………、ちょっと………」
私、ミカサ、アルミンの言葉を聞いて
エレンはショックを受けていた
「…………でもお前らがいてくれたら、絶対楽しいだろ」
「え?」
「幼稚でも興味がなくても、お前らと一緒なら俺は楽しい!」
エレンはそう言って恥ずかしそうにしていて
見てるこっちまで恥ずかしくなる
「………そうだね。せっかく再会できたんだ!楽しいよ、絶対!」
「私は、宝より、エレ………」
「お前1回黙れ」
ミカサの口をエレンは手で覆ってしまったので、最後までは聞けなかったが
きっとミカサはエレンが大事と言いたかったんだろう
「そうだね!」
私たちはそれから授業が始まるまで、校外学習の話をして盛り上がっていた
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