第1話-出会い-
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第1話-出会い-
"エレン、ごめん"
たまに見る夢を見た夢から覚めるといつも涙が頬を伝っている
「………また、この夢」
そんなことを呟き、流れた涙を指でぐっと拭う
この夢を見始めたのは、お父さんが死んだ数日後の夜から
小さい頃から共働きだった両親の元で育った私は、幼稚園に最後まで残るなんてざらだった
私が5歳の秋、両親は同時刻に仕事が終わり
お父さんの運転で幼稚園の迎えに向かっていた途中
車線を大幅に無視した対向車にぶつかられ、隣に座っていたお母さんを庇うように死んでしまった
その当時は、お父さんが死んだことが理解出来ず
打ちのめされるお母さんに
お父さんはどこに行ったの?
帰ってくるの?
と、今思えば酷いことを聞いていた
それからもう10年
つい最近、お母さんにお父さんがいなくなってしまった時の話を聞いて
泣く私の背をお母さんは何度も何度もさすってくれた
辛かったね
そう言ってくれて、余計に涙が出た
その10年前から私は未だ同じ夢を繰り返し見ている
誰かの首を持つ黒髪の女の子、それを見て泣いている金髪の男の子
そして
"エレン、ごめん"
と声を発したのは自分で、いつもこの夢を見た朝は必ず涙が流れている
長い夢のはず。だけど覚えているのはその一部分
夢を見たあとは前世の記憶かな、なんて妄想にふけっていて、ふと前世の私はどんな人間だったんだろうと考えるようになった
どんな生活をして、どんな服を着て、どんな人達と一緒にいたんだろう
そもそも前世なんてあるのか?
そんなことばかり考える
「優佳そろそろ………」
部屋のドアが開くと、お母さんは私を見て目を丸くした
その後すぐ、私のそばに歩み寄り手を握ってくれる
「また、あの夢?」
「………うん」
「そう………」
幾度となくその夢を見た時、お母さんに思い切って打ち明けた
お母さんは驚いた顔をして、私を抱きしめた
その時お母さんは、大丈夫よとただそれだけ言っていた
「………大丈夫?」
「………うん」
「………さぁ!今日は入学式なんだから、早くご飯食べちゃいなさい」
「あ、そうか………」
今日は高校の入学式だ
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