呪術
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昔の同期との飲み会の帰り、私はムシャクシャしていた。このイラつきをどうにか収めたくて、本当はあまり頼りたくないが仕方なく奴の連絡先へと指を滑らせる。
数分たって返ってきた返事には【OK〜君の家で待ってる】の文字。
どうせ勝手に来るからと奴に合鍵を持たせてしまったのは失敗だったかな、とため息を吐きながら私は早足で自宅へと向かった。
玄関へ着くなり「おかえり〜」と顔を出した男を見た瞬間、何かが吹っ切れた。
乱雑に靴を脱ぎ捨て男に近づき、私は目の前の恋人でもないただの同僚の男...
_______五条悟に、突然キスをした
「はっ、お前本当に下手くそ」
「うるさ、ん..っ」
酒が回り思考能力が低下している頭の隅で、ここでやめとけと何度も警笛が鳴っている。が、それを聞こえないフリして私は、目の前にいる黒ずくめのでかい男の襟元を掴み何度も口付けた。
余裕な表情で私を受け止める五条は、軽口で煽りながら楽しそうに私の髪を弄ぶ。それにもなんだか腹が立ってつま先立ちで五条の肩を必死に掴み口内で舌を絡ませる。息も絶え絶えな私に対し、五条は息切れの1つもしていない事に更に私は腹が立った。
「ん、珍しーね。お前からこういう事すんの。しかも酒飲んだんだ?何、ようやく僕の魅力に気づいた?あ、もしかしてここに来てやっとお付き合いの申し込みかな」
「はっ、は、...そんな訳、ないでしょ。私はアンタに恋愛感情なんて絶対湧かない。誰が五条みたいなクズ好きになるか」
「ふぅん?ま、そのクズにこんなトロトロにされてるのはお前だけどね」
「っ!どこ触っ...ん、」
終わったかと思ったキスは再び、今度は五条の方から始まった。
逃げようとしても絡まる舌同士に、頭の後ろに固定された五条の手のせいで顎すら引けやしなかった。なんて馬鹿力だ。...そして無駄にキスが上手い。
苦しくなった息に、力が入り切らない両手で五条の胸板を叩き小さな抵抗をする。それに気づいた五条は口付けながらフッと目元を緩めると最後に唇を舐めてからようやく離れた。
「苦しかった?ごめんね」
「はぁっ、はぁ、」
「ん、玄関にずっと居るのも変だしベッド行く?それとも先に風呂?今ならもれなくどっち選んでも僕が付いてきます♡」
「...気持ち悪」
「あらら、じゃあ先シャワーかな」
運ぶよ〜なんて軽いノリで一瞬にして横抱きにされ風呂場へと足を進める五条に、いつもなら暴言を吐きまくり大袈裟に抵抗する私だが今日はなんだかその気になれなかった。
先程までの五条へのイラつきはどこに行ったのか、今はただされるがままに五条に身を預けている自分に嫌気がさした。
「...1人で歩けるから降ろして」
「顔真っ赤にして何言ってんの。チューだけで足震えさせてる癖に説得力なさすぎ〜」
「...五条のクズ、ゴミ、カス」
「え、酷くない?僕君のこと介抱してあげてんのに?すごい酷い言われようじゃない??」
「.....ほんと、なんでこんなクズ男」
正直に白状すれば、確かに私はこの軽薄を擬人化させ、見た目は大人中身は子供なこのクズの事が好きだ。それは仕方ないけど認めよう。
今日の飲み会だって、同期の子に
「柊さんって、彼氏いないんですかぁ?」
と言われ言葉に詰まった。
...何を隠そう、私はこのクズ男と所謂セフレ関係にある。本当に、何やっているんだろう私は。
好きな人とそんな関係、体は満たされても心が満たされない。...そんな事は私が1番よく分かっていた。
だからこそ、そんな台詞を言われて私は私に腹が立った。勿論このクズにも。
「ねぇ五条」
「ん?」
脱衣場に私を降ろし、鼻歌を歌いながら私の服を脱がしているこの男に心底ため息を吐きたくなる。本当に、なんでこんな男が好きなのだろう。
「その、もう、セフレ辞めたい」
「いいよ」
「え」
思っていた数倍、いや何万倍も返答が早くて逆に私は驚き顔を勢いよく上げてしまった。顔をあげた先には、いつもの目隠しを外し綺麗な瞳をさらけ出した五条がこちらを見ていて思わず唾を飲み込んだ。
「まぁ僕もこの関係はちょっとなーって思ってたし。あ、ちなみにこれ君が嫌になったからとかじゃないからね」
「じゃあ、なんで」
「逆だよ。好きだからセフレ辞めたいの。...ね、付き合っちゃおうよ僕達」
「......簡単に、言うな馬鹿」
大体こっちが何年拗らせてお前とこういう関係続けてきたと思ってるんだ。
というか、私が体の関係を持ちかけた際に五条は断らなかったのは何故か。
もしその時もお互いに両思いだったとしたら、私達は恋愛がとてつもなく下手すぎやしないだろうか。
「こんな関係から始まっちゃったけどさ、1からやり直してみない?それに」
五条は完全に脱がし終えた私の体を抱き上げると首筋に顔をうずめた。
「体の相性がいいのはもう分かりきってることだし?雪乃はもう僕以外の男じゃ絶対満足できないよ」
...大変腹ただしいが、この男の言う通りなのが、ちょっと悔しかった。
「さってと、僕も一緒に入るから君は先に風呂行ってて。さっきよりも熱冷めてるし、もう歩けそ?」
「.....ん」
「すぐ行くからシャワー浴びてスッキリしてな」
「五条」
「なぁに?」
「......好き、です」
恥ずかしいから俯いて言えば頭上から息を飲む音がした。
ちらりと顔を覗こうとすれば五条は「タンマ」と私の頭を無理やり下に向かせた。
「ホントさぁ、こっちは我慢してんだから急に煽るのやめてくんない?ベッドまで待てないからそこん所よろしく」
......私はようやく冷めた熱をまた取り戻してしまい後悔しながらシャワーの蛇口をゆっくりと捻った。
数分たって返ってきた返事には【OK〜君の家で待ってる】の文字。
どうせ勝手に来るからと奴に合鍵を持たせてしまったのは失敗だったかな、とため息を吐きながら私は早足で自宅へと向かった。
玄関へ着くなり「おかえり〜」と顔を出した男を見た瞬間、何かが吹っ切れた。
乱雑に靴を脱ぎ捨て男に近づき、私は目の前の恋人でもないただの同僚の男...
_______五条悟に、突然キスをした
「はっ、お前本当に下手くそ」
「うるさ、ん..っ」
酒が回り思考能力が低下している頭の隅で、ここでやめとけと何度も警笛が鳴っている。が、それを聞こえないフリして私は、目の前にいる黒ずくめのでかい男の襟元を掴み何度も口付けた。
余裕な表情で私を受け止める五条は、軽口で煽りながら楽しそうに私の髪を弄ぶ。それにもなんだか腹が立ってつま先立ちで五条の肩を必死に掴み口内で舌を絡ませる。息も絶え絶えな私に対し、五条は息切れの1つもしていない事に更に私は腹が立った。
「ん、珍しーね。お前からこういう事すんの。しかも酒飲んだんだ?何、ようやく僕の魅力に気づいた?あ、もしかしてここに来てやっとお付き合いの申し込みかな」
「はっ、は、...そんな訳、ないでしょ。私はアンタに恋愛感情なんて絶対湧かない。誰が五条みたいなクズ好きになるか」
「ふぅん?ま、そのクズにこんなトロトロにされてるのはお前だけどね」
「っ!どこ触っ...ん、」
終わったかと思ったキスは再び、今度は五条の方から始まった。
逃げようとしても絡まる舌同士に、頭の後ろに固定された五条の手のせいで顎すら引けやしなかった。なんて馬鹿力だ。...そして無駄にキスが上手い。
苦しくなった息に、力が入り切らない両手で五条の胸板を叩き小さな抵抗をする。それに気づいた五条は口付けながらフッと目元を緩めると最後に唇を舐めてからようやく離れた。
「苦しかった?ごめんね」
「はぁっ、はぁ、」
「ん、玄関にずっと居るのも変だしベッド行く?それとも先に風呂?今ならもれなくどっち選んでも僕が付いてきます♡」
「...気持ち悪」
「あらら、じゃあ先シャワーかな」
運ぶよ〜なんて軽いノリで一瞬にして横抱きにされ風呂場へと足を進める五条に、いつもなら暴言を吐きまくり大袈裟に抵抗する私だが今日はなんだかその気になれなかった。
先程までの五条へのイラつきはどこに行ったのか、今はただされるがままに五条に身を預けている自分に嫌気がさした。
「...1人で歩けるから降ろして」
「顔真っ赤にして何言ってんの。チューだけで足震えさせてる癖に説得力なさすぎ〜」
「...五条のクズ、ゴミ、カス」
「え、酷くない?僕君のこと介抱してあげてんのに?すごい酷い言われようじゃない??」
「.....ほんと、なんでこんなクズ男」
正直に白状すれば、確かに私はこの軽薄を擬人化させ、見た目は大人中身は子供なこのクズの事が好きだ。それは仕方ないけど認めよう。
今日の飲み会だって、同期の子に
「柊さんって、彼氏いないんですかぁ?」
と言われ言葉に詰まった。
...何を隠そう、私はこのクズ男と所謂セフレ関係にある。本当に、何やっているんだろう私は。
好きな人とそんな関係、体は満たされても心が満たされない。...そんな事は私が1番よく分かっていた。
だからこそ、そんな台詞を言われて私は私に腹が立った。勿論このクズにも。
「ねぇ五条」
「ん?」
脱衣場に私を降ろし、鼻歌を歌いながら私の服を脱がしているこの男に心底ため息を吐きたくなる。本当に、なんでこんな男が好きなのだろう。
「その、もう、セフレ辞めたい」
「いいよ」
「え」
思っていた数倍、いや何万倍も返答が早くて逆に私は驚き顔を勢いよく上げてしまった。顔をあげた先には、いつもの目隠しを外し綺麗な瞳をさらけ出した五条がこちらを見ていて思わず唾を飲み込んだ。
「まぁ僕もこの関係はちょっとなーって思ってたし。あ、ちなみにこれ君が嫌になったからとかじゃないからね」
「じゃあ、なんで」
「逆だよ。好きだからセフレ辞めたいの。...ね、付き合っちゃおうよ僕達」
「......簡単に、言うな馬鹿」
大体こっちが何年拗らせてお前とこういう関係続けてきたと思ってるんだ。
というか、私が体の関係を持ちかけた際に五条は断らなかったのは何故か。
もしその時もお互いに両思いだったとしたら、私達は恋愛がとてつもなく下手すぎやしないだろうか。
「こんな関係から始まっちゃったけどさ、1からやり直してみない?それに」
五条は完全に脱がし終えた私の体を抱き上げると首筋に顔をうずめた。
「体の相性がいいのはもう分かりきってることだし?雪乃はもう僕以外の男じゃ絶対満足できないよ」
...大変腹ただしいが、この男の言う通りなのが、ちょっと悔しかった。
「さってと、僕も一緒に入るから君は先に風呂行ってて。さっきよりも熱冷めてるし、もう歩けそ?」
「.....ん」
「すぐ行くからシャワー浴びてスッキリしてな」
「五条」
「なぁに?」
「......好き、です」
恥ずかしいから俯いて言えば頭上から息を飲む音がした。
ちらりと顔を覗こうとすれば五条は「タンマ」と私の頭を無理やり下に向かせた。
「ホントさぁ、こっちは我慢してんだから急に煽るのやめてくんない?ベッドまで待てないからそこん所よろしく」
......私はようやく冷めた熱をまた取り戻してしまい後悔しながらシャワーの蛇口をゆっくりと捻った。