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過去編
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______これは、私と虎杖君が出逢うまでの話
◆
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「雪乃さぁ、呪術師やめて補助監督とかやる?あと窓とか。正直向いてないよ」
「......貴方がここに連れてきたくせに」
私が呪いという存在を視認できるようになったのは、小学生の頃からだった。
当時、呪いの存在を周りに教える度に気味悪がられ、小学校の中では頻繁にいじめにあっていた...が、私が他と違うのはただいじめられるだけのか弱い女じゃなかったという事。
私のランドセルをズタボロにした奴らには同じように仕返しをし、給食をわざとひっくり返した奴らには熱々の味噌汁を頭から浴びさせ、下駄箱に悪口が沢山書かれた紙を入れた奴らには相手の恥ずかしい無様な話を書いた紙を校内中に貼り付けてやった。
いつしか私をいじめるやつは居なくなり、代わりに舎弟のような存在が増えた。小学校6年生になった時には、私に逆らう人や呪いが見える事を馬鹿にするやつだって現れなかった。
中学に上がってからは呪いの行動が活性化し始めた。私はなるべく関わらないように見えても見て見ぬふりをするようになった。
中学2年生になった頃、家の中にまで呪いが侵入するようになった。両親の肩に付いていた時はどうしようと青ざめた。けどこの時の私には戦う術も何も無かったので、どうもできなかった。
数日後、両親は原因不明の眠りについた。
病院の先生に何度も「呪いのせいだ!」と声を荒らげても相手にしてもらえなかった。私は真っ白なベッドで眠る両親をただただ見ている事しかできなかった。
1人になった私に声をかけてくれたのは、1人の大人の男性だった。その人は黒いサングラスをしていて、真っ黒な服を来ていた。背は見上げるくらい高く、髪は白い。明らかに普通の人じゃないと見ただけでわかる。
「お前が柊雪乃?」
「...そう、ですけど」
「単刀直入に言うけど、君の両親は元の原因である呪いを祓わないと目を覚まさない」
「!!...貴方はお父さんとお母さんが呪いのせいでこうなってるって、わかるんですか」
「当たり前でしょ。僕、"呪術師"だから。それも最強の、ね」
_______"僕と一緒に、高専へ来て呪術師になってみる?"
私は頷くより先に差し伸ばされた手を取り、目の前の男...五条悟についていくことにした。
...そして、話は冒頭に戻る。
結論から言うと、私には呪力が微量程度しかなかった。五条曰く、"誰かを呪うって力がお前には無さすぎ、いい子ちゃんじゃん"との事。
「私、別にいい子じゃありませんけど」
「そうじゃない。雪乃がいい子かどうかっていうより、この場合恨み、怨念の類の話。今までこいつ呪いたい!呪ってやる〜!みたいな気持ちになったことないでしょ?」
「小学生の頃に、私をいじめてた奴らには多少思ったことある」
「だとしてもそれ本気じゃないよね。心の底から呪ってやるって気持ちになった事、ある?」
「...わかんない。そもそも私程度の人に呪いなんてかけれるなんて思ってないし」
「それ!それだよ。"自分には呪えるはずがない"って思い込みが呪力を馬鹿みたいに弱くしちゃってるんだよね。自覚ないまま制御してるのか知らないけど、その程度じゃ呪術師にはまずなれないだろうね。連れて来といてなんだけど、諦める?」
悪びれもなく言う目の前の男に心底ため息が出る。本当に何のためにここに来たんだ、私。
「......はぁ、五条さんはなんでここに連れてきたの」
やる気を一気に失くした私は、壁に背を預け体育座りをした。
五条さんは「んー」と伸びをしながらサングラスを外し、空を仰いだ。
「だってお前、死のうとしてただろ」
その言葉はまるで綿のような軽さで放たれた。余りにシレッと言われるものだから、一瞬何と言われたのか理解するのに時間がかかった。
「......どうして、そう思うんですか」
「思ったんじゃなくて確信。顔みてりゃわかるよ。因みに今も死にそうな顔してるからな?鏡見てみ?」
「そんな顔、してないです」
「してるんだって。...ま、死のうとしてたのがわかったからってだけで連れて来たりはしないけどね」
「は?」
五条さんは私の目線までしゃがみこむと、顎を掴み目と目を合わせた。綺麗な宝石みたいな蒼い瞳が私を覗き込む。綺麗だけど、全てを見透かされそうなそれに私は目を逸らしたくなった。
「僕の目って他のと違って特別でね。なんでも見えちゃうの。相手の術式だったり、呪いだったり。でもお前からそれを感じない。呪いを視認できない普通の一般人と同じ目してるんだよ。この意味わかる?」
「は、はぁ...全然分かりません」
「要はね、そんな目してるのに微量とはいえ呪力があったり呪いを視認できたりすんのおかしいでしょってこと。窓の奴らとも若干違う。本当にお前からは"何も見えない"んだよ」
五条さんは満足したのか顎から手を離し立ち上がると、「うーん、どうしよっかなぁ」と悩むような素振りをした。全然声音と行動が一致してないのが気になる。
「まぁまずはその呪力量かな。生まれ持ったものってどうにかなるような物じゃないけど、色々試してみるか」
......こうして、私は五条さん監修の元、呪術高専で呪術師になるための勉強を始めることになったのだ。
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「雪乃さぁ、呪術師やめて補助監督とかやる?あと窓とか。正直向いてないよ」
「......貴方がここに連れてきたくせに」
私が呪いという存在を視認できるようになったのは、小学生の頃からだった。
当時、呪いの存在を周りに教える度に気味悪がられ、小学校の中では頻繁にいじめにあっていた...が、私が他と違うのはただいじめられるだけのか弱い女じゃなかったという事。
私のランドセルをズタボロにした奴らには同じように仕返しをし、給食をわざとひっくり返した奴らには熱々の味噌汁を頭から浴びさせ、下駄箱に悪口が沢山書かれた紙を入れた奴らには相手の恥ずかしい無様な話を書いた紙を校内中に貼り付けてやった。
いつしか私をいじめるやつは居なくなり、代わりに舎弟のような存在が増えた。小学校6年生になった時には、私に逆らう人や呪いが見える事を馬鹿にするやつだって現れなかった。
中学に上がってからは呪いの行動が活性化し始めた。私はなるべく関わらないように見えても見て見ぬふりをするようになった。
中学2年生になった頃、家の中にまで呪いが侵入するようになった。両親の肩に付いていた時はどうしようと青ざめた。けどこの時の私には戦う術も何も無かったので、どうもできなかった。
数日後、両親は原因不明の眠りについた。
病院の先生に何度も「呪いのせいだ!」と声を荒らげても相手にしてもらえなかった。私は真っ白なベッドで眠る両親をただただ見ている事しかできなかった。
1人になった私に声をかけてくれたのは、1人の大人の男性だった。その人は黒いサングラスをしていて、真っ黒な服を来ていた。背は見上げるくらい高く、髪は白い。明らかに普通の人じゃないと見ただけでわかる。
「お前が柊雪乃?」
「...そう、ですけど」
「単刀直入に言うけど、君の両親は元の原因である呪いを祓わないと目を覚まさない」
「!!...貴方はお父さんとお母さんが呪いのせいでこうなってるって、わかるんですか」
「当たり前でしょ。僕、"呪術師"だから。それも最強の、ね」
_______"僕と一緒に、高専へ来て呪術師になってみる?"
私は頷くより先に差し伸ばされた手を取り、目の前の男...五条悟についていくことにした。
...そして、話は冒頭に戻る。
結論から言うと、私には呪力が微量程度しかなかった。五条曰く、"誰かを呪うって力がお前には無さすぎ、いい子ちゃんじゃん"との事。
「私、別にいい子じゃありませんけど」
「そうじゃない。雪乃がいい子かどうかっていうより、この場合恨み、怨念の類の話。今までこいつ呪いたい!呪ってやる〜!みたいな気持ちになったことないでしょ?」
「小学生の頃に、私をいじめてた奴らには多少思ったことある」
「だとしてもそれ本気じゃないよね。心の底から呪ってやるって気持ちになった事、ある?」
「...わかんない。そもそも私程度の人に呪いなんてかけれるなんて思ってないし」
「それ!それだよ。"自分には呪えるはずがない"って思い込みが呪力を馬鹿みたいに弱くしちゃってるんだよね。自覚ないまま制御してるのか知らないけど、その程度じゃ呪術師にはまずなれないだろうね。連れて来といてなんだけど、諦める?」
悪びれもなく言う目の前の男に心底ため息が出る。本当に何のためにここに来たんだ、私。
「......はぁ、五条さんはなんでここに連れてきたの」
やる気を一気に失くした私は、壁に背を預け体育座りをした。
五条さんは「んー」と伸びをしながらサングラスを外し、空を仰いだ。
「だってお前、死のうとしてただろ」
その言葉はまるで綿のような軽さで放たれた。余りにシレッと言われるものだから、一瞬何と言われたのか理解するのに時間がかかった。
「......どうして、そう思うんですか」
「思ったんじゃなくて確信。顔みてりゃわかるよ。因みに今も死にそうな顔してるからな?鏡見てみ?」
「そんな顔、してないです」
「してるんだって。...ま、死のうとしてたのがわかったからってだけで連れて来たりはしないけどね」
「は?」
五条さんは私の目線までしゃがみこむと、顎を掴み目と目を合わせた。綺麗な宝石みたいな蒼い瞳が私を覗き込む。綺麗だけど、全てを見透かされそうなそれに私は目を逸らしたくなった。
「僕の目って他のと違って特別でね。なんでも見えちゃうの。相手の術式だったり、呪いだったり。でもお前からそれを感じない。呪いを視認できない普通の一般人と同じ目してるんだよ。この意味わかる?」
「は、はぁ...全然分かりません」
「要はね、そんな目してるのに微量とはいえ呪力があったり呪いを視認できたりすんのおかしいでしょってこと。窓の奴らとも若干違う。本当にお前からは"何も見えない"んだよ」
五条さんは満足したのか顎から手を離し立ち上がると、「うーん、どうしよっかなぁ」と悩むような素振りをした。全然声音と行動が一致してないのが気になる。
「まぁまずはその呪力量かな。生まれ持ったものってどうにかなるような物じゃないけど、色々試してみるか」
......こうして、私は五条さん監修の元、呪術高専で呪術師になるための勉強を始めることになったのだ。