変換無しの場合はデフォルト名で「柊 雪乃」になります。
過去編
名前変換ページ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
呪力を増やす、というよりは呪力を感じるという所から始めた方がいいという五条さんの教えにより私は今謎のぬいぐるみと対峙している。
「あの、このなんとも言えないぬいぐるみは一体...」
「あーそれ?学長が作ったやつ」
「学長...?」
「って、そういえばお前のこと学長に言ってねぇわ。やべぇ」
こんなぬいぐるみを作るくらいだ、きっと学長さんは女性の方なのかな?と勝手に妄想を膨らませる私に対し、五条さんは悩むようなポーズをし、「まぁ適当な日に適当に紹介すればいっか」とまたもや軽い考えを口にしていた。本当にこの人に任せて大丈夫なのかと少し不安になった。
「あ、あとお前ともう1人ガキがいんだよ。恵つていうんだけど」
「恵...」
名前からして、きっと女の子なんだろうな。恵ちゃんか...ガキ、ってことは子供?なんだよね。私と同じ中学生だといいな。
「よし、なんなら今からそいつに会いに行くか。丁度今日顔見る予定だったし」
「えっ」
どうしよう、恵ちゃんかぁ、うーんどんな子だろう。仲良くなれるといいなぁ...
_____なんて、思っていた事もありました。
「誰、こいつ」
「新しく高専で僕が育てる事になったガキその2、柊雪乃ちゃんでーす!拍手!」
「恵ちゃんくん...?」
「は?」
見事に騙された。
同じ中学生でしかも同級生。歳だけなら仲良くできるかなと考えるが性別は男でこんなTHE思春期ボーイ感漂う彼と私はうまく話すことができるのだろうか。...不安だ。
「...よろしく、えっと、」
「......伏黒恵」
「え」
「下の名前だと女ってよく間違われるんだよ。別に呼ばれるのはどっちでもいーけど、ちゃん付けはやめろ」
「...じゃあ、伏黒君で。私の事も好きに呼んでいいよ」
...うん、案外普通の子かもしれないな。少なくとも五条さんより何万倍もマシだと私は思った。
「さて顔合わせも済んだことだし、3人でご飯行こっか」
「え、嫌です」
「右に同じく」
「なんで!?」
私は伏黒君と顔を見合わせた。あぁよかった、伏黒君もどうやら五条さんが苦手みたいだ。もし2人で話す機会があったらたくさん五条さんの嫌なところを話そう。...たとえば五条さんが高専に連れてきたくせに向いてないとか散々言ってきたこととか。実は根に持ってるんだよね、あれ。
「まーまー、とにかくお前らも腹減ったでしょ?ハイ、ご飯行きます強制でーす」
「ちょ、引っ張るな!」
「五条さんやめてくださいセクハラで訴えますよ」
こうして私たちはわちゃわちゃとしながら東京の街へとやってきた訳なのだが。
伏黒君は連れてくる場所をある程度わかっていたようで普通にしているが、私は先程から変な震えと汗が止まらない。
何故ならここは、
「あ、ああ、あの、ご、五条さん、伏黒君、ここ、こ、ここは」
「あはは、なーに緊張してんの。普通の寿司屋に決まってんじゃーん!」
「...普通ではないけど、ここは寿司屋だぞ」
「なんで伏黒君はそんな冷静でいられるの!?」
明らかに他のお店とは違う内装、カウンターしかない席、貸切状態なのか人は私達しかおらず、板前さんは先程からニコニコとしながらこちらを伺っている。
こんな高そうでやばそうな寿司屋は生まれてこの方両親にも連れてきてもらったことなどない。いや、そもそもこんな高いところなんて来ない、精々チェーン店の回転寿司くらいだろう。
「ひぇ...」
最早私は注文どころではなかった。
伏黒君は慣れているのか「マグロとサーモン、あとウニ」とか早速注文してるし、五条さんに関しては「大将〜、僕はいつものね!」なんて言ってる。いつものって何?ここにいつも来てるの?五条さんってもしかしてとんでもない金持ちなの?
「ほら、雪乃も遠慮せずに頼みなって!なんでもあるよ!寿司じゃなくても適当に作ってくれるし」
「寿司屋なのに...?」
本当になんでも作ってくれるらしく、五条さんのテーブルには"いつもの"らしい大きなパフェがトンと置かれた。え、パフェ?寿司屋でパフェ食べるの?
「うぅ...」
私は出された水ですら緊張して飲めていないというのに、2人はどんどん食べていた。すると隣の伏黒君が見かねたのか私のお皿にちょこんと玉子を置いた。
「ここの店の玉子、うまいから。...いい加減諦めてなんか食べろよ」
「え、あ、ありがと...」
伏黒君の好意を無駄にする訳にはいかないし、私は意を決して置かれた玉子に手をつけた。
瞬間広がる旨みに私は目が飛び出るかと思った。
「う、うま!!!!!!」
思わず語彙もなくなり箸を持つ手がプルプルと震える。突然の大声に伏黒君はビックリしているし五条さんは私を見てケラケラ笑ってる。が、そんな事もどうでも良くなるくらい美味しかった。
「ご、五条さんっ、伏黒君!玉子美味しい!こんなに美味しいの初めて食べた!」
「...よかったな」
「うんうん、よかったよかった!それに、ようやくそんな風に笑ってくれたね〜」
「えっ」
「あ、自覚なかった?お前さ、僕が高専連れてきてからも全然笑わねぇから結構両親の事とかでやられてんのかと思ってさ。...ま、気分転換に飯に誘って正解だったかな」
そんなことも知らず、私は五条さんを自分勝手にご飯に連れてきたと思っていたので少し見直した...というかちょっと、感動した。
「ありがとうございます、五条さん」
「ん、いーよ。ほら、時間はたっぷりあるし適当に頼みな」
「はい!玉子もう1つください!」
私の元気な注文に、伏黒君と五条さんはそれをおかしそうに笑っていた。
「あの、このなんとも言えないぬいぐるみは一体...」
「あーそれ?学長が作ったやつ」
「学長...?」
「って、そういえばお前のこと学長に言ってねぇわ。やべぇ」
こんなぬいぐるみを作るくらいだ、きっと学長さんは女性の方なのかな?と勝手に妄想を膨らませる私に対し、五条さんは悩むようなポーズをし、「まぁ適当な日に適当に紹介すればいっか」とまたもや軽い考えを口にしていた。本当にこの人に任せて大丈夫なのかと少し不安になった。
「あ、あとお前ともう1人ガキがいんだよ。恵つていうんだけど」
「恵...」
名前からして、きっと女の子なんだろうな。恵ちゃんか...ガキ、ってことは子供?なんだよね。私と同じ中学生だといいな。
「よし、なんなら今からそいつに会いに行くか。丁度今日顔見る予定だったし」
「えっ」
どうしよう、恵ちゃんかぁ、うーんどんな子だろう。仲良くなれるといいなぁ...
_____なんて、思っていた事もありました。
「誰、こいつ」
「新しく高専で僕が育てる事になったガキその2、柊雪乃ちゃんでーす!拍手!」
「恵ちゃんくん...?」
「は?」
見事に騙された。
同じ中学生でしかも同級生。歳だけなら仲良くできるかなと考えるが性別は男でこんなTHE思春期ボーイ感漂う彼と私はうまく話すことができるのだろうか。...不安だ。
「...よろしく、えっと、」
「......伏黒恵」
「え」
「下の名前だと女ってよく間違われるんだよ。別に呼ばれるのはどっちでもいーけど、ちゃん付けはやめろ」
「...じゃあ、伏黒君で。私の事も好きに呼んでいいよ」
...うん、案外普通の子かもしれないな。少なくとも五条さんより何万倍もマシだと私は思った。
「さて顔合わせも済んだことだし、3人でご飯行こっか」
「え、嫌です」
「右に同じく」
「なんで!?」
私は伏黒君と顔を見合わせた。あぁよかった、伏黒君もどうやら五条さんが苦手みたいだ。もし2人で話す機会があったらたくさん五条さんの嫌なところを話そう。...たとえば五条さんが高専に連れてきたくせに向いてないとか散々言ってきたこととか。実は根に持ってるんだよね、あれ。
「まーまー、とにかくお前らも腹減ったでしょ?ハイ、ご飯行きます強制でーす」
「ちょ、引っ張るな!」
「五条さんやめてくださいセクハラで訴えますよ」
こうして私たちはわちゃわちゃとしながら東京の街へとやってきた訳なのだが。
伏黒君は連れてくる場所をある程度わかっていたようで普通にしているが、私は先程から変な震えと汗が止まらない。
何故ならここは、
「あ、ああ、あの、ご、五条さん、伏黒君、ここ、こ、ここは」
「あはは、なーに緊張してんの。普通の寿司屋に決まってんじゃーん!」
「...普通ではないけど、ここは寿司屋だぞ」
「なんで伏黒君はそんな冷静でいられるの!?」
明らかに他のお店とは違う内装、カウンターしかない席、貸切状態なのか人は私達しかおらず、板前さんは先程からニコニコとしながらこちらを伺っている。
こんな高そうでやばそうな寿司屋は生まれてこの方両親にも連れてきてもらったことなどない。いや、そもそもこんな高いところなんて来ない、精々チェーン店の回転寿司くらいだろう。
「ひぇ...」
最早私は注文どころではなかった。
伏黒君は慣れているのか「マグロとサーモン、あとウニ」とか早速注文してるし、五条さんに関しては「大将〜、僕はいつものね!」なんて言ってる。いつものって何?ここにいつも来てるの?五条さんってもしかしてとんでもない金持ちなの?
「ほら、雪乃も遠慮せずに頼みなって!なんでもあるよ!寿司じゃなくても適当に作ってくれるし」
「寿司屋なのに...?」
本当になんでも作ってくれるらしく、五条さんのテーブルには"いつもの"らしい大きなパフェがトンと置かれた。え、パフェ?寿司屋でパフェ食べるの?
「うぅ...」
私は出された水ですら緊張して飲めていないというのに、2人はどんどん食べていた。すると隣の伏黒君が見かねたのか私のお皿にちょこんと玉子を置いた。
「ここの店の玉子、うまいから。...いい加減諦めてなんか食べろよ」
「え、あ、ありがと...」
伏黒君の好意を無駄にする訳にはいかないし、私は意を決して置かれた玉子に手をつけた。
瞬間広がる旨みに私は目が飛び出るかと思った。
「う、うま!!!!!!」
思わず語彙もなくなり箸を持つ手がプルプルと震える。突然の大声に伏黒君はビックリしているし五条さんは私を見てケラケラ笑ってる。が、そんな事もどうでも良くなるくらい美味しかった。
「ご、五条さんっ、伏黒君!玉子美味しい!こんなに美味しいの初めて食べた!」
「...よかったな」
「うんうん、よかったよかった!それに、ようやくそんな風に笑ってくれたね〜」
「えっ」
「あ、自覚なかった?お前さ、僕が高専連れてきてからも全然笑わねぇから結構両親の事とかでやられてんのかと思ってさ。...ま、気分転換に飯に誘って正解だったかな」
そんなことも知らず、私は五条さんを自分勝手にご飯に連れてきたと思っていたので少し見直した...というかちょっと、感動した。
「ありがとうございます、五条さん」
「ん、いーよ。ほら、時間はたっぷりあるし適当に頼みな」
「はい!玉子もう1つください!」
私の元気な注文に、伏黒君と五条さんはそれをおかしそうに笑っていた。
2/2ページ