しん友へ(回想)
詩へ
アメリカから送ります。
詩のことを思って、難しい漢字は使わないでおくよ。
詩に手紙なんて...
十何年ぶりだろうか。
僕は、あの時の詩の手紙が印象的だった。
親友にもらった、初めての手紙だったから。
それを思い出した時、部屋中を探してみたんだけど、それは見つからなかった...
どこに行ったんだろう...
そう思ったとき、僕の“直感”がはたらいた...
きっと、僕らの親友の彼が...
もっているんだろうね。
詩からの貴重な手紙だ。
僕らは喧嘩して取り合ったのかな....
僕が、譲ってあげたのかな...
また3人で会った時、それを一緒に思い出そう...
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そんな出だしから始まった手紙。
きれいに整った、櫻野の文字だ。
「ったく、相変わらずいらっとする出だし」
詩はそう言いながらも、##NAME1##に漢字を教えてもらいながら読む。
櫻野は元気らしい。
詩は読みながら、笑顔になっていた。
櫻野らしい表現で、櫻野の声がするみたいだった。
らしくないけど、手紙を書いてみようか。
喧嘩したらいけないから、今度は2通。
「最後の行から書き始めるのー?」
めずらしいね、と##NAME1##は言う。
「ああ、もう決まってるからな」
詩はニッと笑う。
“ありがとう、ばか”
これからかく手紙は、“2人”に届くだろうか。
届くといいな_____
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