このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

抱きしめて



朝日が眩しくて目を覚ました。

身体は、今まで経験したことのない痛みが少しだけあった。

思い出すだけで、恥ずかしくなってしまう。

ああ、私、詩と...





隣には、昨日の男らしさが嘘かのように、子どものようにすやすやと眠る詩。

詩の顔がよくみたくて、その前髪をそっとどけた。

意外とまつげ長いんだな、と思いながら少しの間見つめていた。






しばらくすると、んんっと声を上げもぞもぞし始める詩。

起きたようだ。

その様子も、どこか仔犬のようで笑ってしまう。





「あっ今わらったな」

寝ぼけまなこで言う詩。

「かわいいなって思って」

そう言って、詩の頭をぽんぽんとなでる。

「何言ってんの、昨日の夜は##NAME1##のほうかわいかったよ」

悪戯っぽい笑みを浮かべる詩。

途端に顔が赤くなる##NAME1##。

まだまだ詩のほうが余裕そうで、ちょっとだけ悔しかった。

「どうだった?

昨日...きもちよかった?」

もう!!

##NAME1##は言って、詩にそっぽを向く。

詩はけらけらと笑っている。

「俺は最高だったよん!」

ぼふっと、勢いのまま##NAME1##に抱きつく詩。

「ちょ、っと!!」

そんなふうに、正直にいうから自分のペースが乱される。

「ね?もっかいする?」

「しない!」

「えーなんで?

きもちよくなかった?

それはヘこむなぁ...」

「そ、そういうわけじゃ...ないけど...」

「ないけど...?」

「なんでもないっ」

「えー言ってよーっ」

「言わないっ!」

「ケチ!」

「ケチでいいよもうー」






そんなふうにじゃれていれば、時間はあっというまにすぎていく。

こんな幸せな日々が続けばいいなと思った。

平和で、笑っていられる1日。

詩が、隣にいてくれる毎日...





命を削るアリスなんて....

こんなに詩は良い人なのに...

世の中は不平等だと思った。

だけど、詩は、そんなことで嘆く人じゃなかった。

そんな不平等や理不尽さえもバネして、強さに変えていく人....





神様、どうか詩を連れて行かないでください。

私には祈ることしかできないけど、詩の明るい未来を祈ってます。

どうかその明るい未来に、私も一緒にいられますように。






.
4/4ページ
スキ