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式神使いの闇



詩は今起きたことがわからないでいた。

それは棗以外も同じ。

そんな中、殿が気づく。

「さっき引っ張られたのって、棗の中に入った........念力系のアリス?」

なるほど。

みんな納得のいった様子。








そこで今度は、詩にみんなの視線が注がれる。

なぜ、あの攻撃を避けなかったのか。

棗のアリスがなければ、危うく捕まっていたかもしれない。

でも、##NAME1##には詩の気持ちがなんとなくわかっていた。

「詩は間違っていないよ。

最後まで、迷わないで。

元凶をたおさないと、また同じことが繰り返されるだけなんだから」

だけど詩はまだ晴れない表情で何か、言おうと口を開きかける。

しかし、その顔つきが一瞬にして変わった。






―ザッ...





目の前には、風紀隊。

前に出る詩に習い、翼や棗も前に出ようとする。

しかしそれを、詩は制した。

「これは俺の敵だ、

さがってろ」

詩の表情は険しかった。

「何言ってんだよ!」

翼が怒ったように言う。

しかし、棗が向けていた視線の先を見て、ぐっと息を呑む。

そこには、銃を構えた風紀隊がいた。

よく見ると、全員銃を装備しているようだった。

明らかに、さっきまでの敵とは様子が違った。

「俺の前に出るな」

詩の静かな声が響いた。








「詩、やってくれたね」

銃の武装集団の中から、リーダーらしき人物が現れた。

詩以外、その人物のことは知らない。

東堂だった。

「ずいぶんと思い立った行動をしてくれたな。

お前をみくびっていたようだ。

あんなことをできるとは思っていなかった。

私も油断していたと反省している。

お前の扱いがぬるすぎたな。

こんなことをして、どうなるかわかっているんだろうな?

そのアリスを私に向けて使い、大事な任務を放り出し、挙句の果て学園への反逆行為。

前代未聞。

校長はお怒りだ。

私は普段、学園について不可侵だったが今回ばかりは話が違ってくる。

この件で少なからず任務監督である私の監督不行き届き、失態として今まで積み上げてきたキャリアを台無しにされるのはごめんだ。

長年一緒に任務をやってきたんだ。

今私が何を考えているかくらい容易に想像がつくだろう。

大人しく捕まるのが、今後のためだ」

いつも冷静な東堂だが、今回ばかりは怒っていることが読み取れる。

敵に回してはいけない人物であるということは詩ももちろん知っている。

こいつは、慈悲がない。

自分のためであれば、平気で人を蹴落とす。

それが人の命であっても.....





「あなたの本気は確かに、怖いですね。

でも、ここまで俺がするんだ。

こちらも一歩も引く気はない。

防戦一方では通用しない相手ということは知っているので、俺もそれなりに本気を出すしかないようですね」







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