相性
―ガッ
翼が殿の胸倉を掴み、今にも殴りかかりそうだ。
誰にでもわかるとおり、翼は怒っていた。
「翼先輩...っ」
そう呼びかけてもとまらない。
「てめぇどういうつもりだ!
何でいきなり勝手に....っ
のだっちにあんな危険なマネ....っ」
「翼先輩やめて....っ」
蜜柑が涙を溜めて言う。
「よせ翼」
詩が止めに入る。
「何でだよ詩!?
お前も殿の言うこと素直に聞いて.....っ」
「それは....っ」
詩が口ごもり、殿もまた、苦しい表情をする。
「―裏切り者がこの中に........」
「....特力の...」
「....っ
追手だ!」
詩が弾かれたようにそちらを向き、アリスを発動させる。
みんな油断していた中、詩だけが気づきすぐに対応した。
また風紀隊が10人ほどいた。
「詩先輩っ」
蜜柑が不安げに言うが
「蜜柑、みんな
一箇所に集まれ
テレポートでここを脱出だ」
殿の一言にはっとする。
「たのむぞ蜜柑っ」
最後に詩が蜜柑の腕を掴み、その場の景色が変わった______
「佐倉蜜柑と、
のばらと詩らが過去から戻ってきたと......?」
本部の某部屋に、ペルソナとルイと八雲がいた。
そんな時に入ってきた、知らせ.......
「のばらはもう終わりだ。
元仲間の相次ぐ不祥事の穴を埋めるためにも
お前達の手で必ず捕らえろ
容赦はするな」
「詩ちゃんも....?」
ルイが不安そうにつぶやく。
「あたり前だ。
我々のもとより、あちら側を選んだんだ。
お前達よりも、な。
しかし詩の性格上、お前達に手を出せないはずだ。
そんな詩を捕えるなんてこと、簡単だろう。
....まあでも、必要ないかもしれない。
もうすでに、1つ手は打ってある。
あの東堂ならうまくやれるだろう....」
初校長不敵な笑みを浮かべた。
「.......裏切り者にはこの先、一生後悔しても足りないくらいの人生を送らせてやる.....」
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