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相性



「詩、調子はどうだ?」

殿が尋ねる。

「ああ、だいぶいい」

詩が、ケガをした腕をさすりながら言う。

そこは、傷口が小さくなり回復を始めていた。

さきほど詩に入ったのは、治癒のアリスストーン。

そして、櫻野のアリスストーン。

「体力も回復してる

また動けるよ」

詩はにかっと笑った。

皆、ほっとする。

そしてまた、皆気を引き締める。

みんなの中に、体にあった石が1つは入った。

「移動手段は主に、蜜柑か詩のテレポートになるな」

殿は言った。

しかし詩が申し訳なさそうに言う。

「そのことなんだけど、

俺、テレポートには自信ねぇ」

「は?」

「秀の直感とテレパシーは全然問題ないけど

テレポートはなんでか要領つかめなくて.....

さっきこの高等部にきたあれで精一杯だから

この大人数を運ぶのはちょっと........責任はもてない」

申し訳なさそうにいう詩。

ま、しょーがないかと殿は頷く。

アリスにも相性があるのだから、櫻野のアリスの1つは合わないという可能性はなくもない。

実際、2つ相性がいいという確率は高いほうなのかも.....

そう考えながら殿は蜜柑に向き直る。

「蜜柑、移動はお前が頼りだ

お前ならできるな?」

「うん...っ」

蜜柑は力強く頷く。

お母さんと同じ、テレポートのアリスだから........っ







「....殿、ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど」

ふいに、詩が殿にしか聞こえない声で言った。

殿は察して、詩と2人、少しみんなから離れた。

「なんだよ....」

「俺、ここに来る前陽一と会って.....

その時聞いたんだ。

俺は信じられないけど

殿にだけは言っとこうと思って......





_________」










話を聞き終えた殿は、案の定驚いた顔をした。








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