相性
バタバタバタ.....ばんっ
―追手か!?
皆がはっとし、ドアの方に注意を向ける。
しかし、皆ほっと胸を撫で下ろす。
風紀隊の姿で現れたのは現生徒会長。
「五島!?
つかびっくりさせんなよー!」
詩の安堵の溜息が漏れる。
「すいません、詩先輩
こうでもしないと追っ手から逃れられない状況で。
それより、よくご無事で....」
五島は頭をかきながら言う。
「まぁ、秀から本部の偵察に五島が行っているとは聞いたけど。
こっちに戻ってこれたんだな」
「はい、まぁ....
僕がここへ戻ってきたのは
佐倉さんを含めたみなさんに一刻も早くこの場から避難してもらう事と
そして過去の旅による佐倉さんの決意をきいて
月光が…
この高等部の例のドアの鍵穴に当たる時刻に
柚香さんが穴をあけるその時までにそこに戻ってきてほしいという事を伝えるためです」
五島は蜜柑に向き直る。
「きっと柚香さんは今必死に逃げています
あなたとおちあって外へ出るために
その時までの…
一番の方法は野田先生のアリスでもう一度時空に逃げることだったのですが
先程事情を伺った限りだと......」
そう、五島が話している最中だった_____
―カンッ
.....カラン.....カラン........
いきなり何かが現れ、そこに落ちた。
それは.....
「アリスストーン........っ!?」
そして、柚香から蜜柑への手紙。
それには、
危険な目に巻き込んだことを許して欲しい、
ということ。
蜜柑に「盗みのアリス」の対になる「入れるアリス」があるなら、これらの石を役立ててほしい....ということ。
そして、
どうか、無事で.......
と。
「ということは....
柚香さんは無事なんですね
よかった」
そう言ったのだっちと、手紙を握り締める蜜柑を中心に、みんな安心した。
そして、これから蜜柑の「入れるアリス」で、
柚香がくれたアリスストーンをみんなの中へ入れることになった。
「時間はもうないわ
無事に.....
みんなで戦いぬくために
いまできること
全てやってみるのよ」
蛍が力強く、言った。
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