このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

戦況/久しぶりの影



in 花姫殿。

「何じゃその粗大ゴミは...」

姫様がそう、嫌なものを見る目で言ったのはつい先ほどのこと。

今花姫殿には、颯が1人取り残されていた。

「よし...いくかー....」

「どこに戻られるおつもり?」

おもむろに立ち上がった颯に、かきつばたが問う。

「まー

俺の裏切り行為は上に伝わってるだろうし........

どこに行っても捕まるんじゃないねーかな」

「じゃあ....罰則を受けてあちら側にお戻りになるの?」

「まー罰則なんて痛くもかゆくもねーけどさー...........いたいけど。

でも......この先任務とはいえ俺........

クールブルースカイを傷つけるなんてやだし...........

詩兄と戦うなんてことになんのもやだし.....

逆らったらどーなっかわかんねーけど

戻るとこ他にねーし

......あんなとこだけど詩兄がくれた居場所だから.......

今回のケジメはやっぱつけねーと....

俺が行かなきゃ代わりに仲間がキツイ目にあわされっからさ........

イヤな奴らだけどさすがにそれはなー....

じゃ......」

そう言って立ち去るのもつかの間.....

かきつばたが何を思ったのか、颯をフォローする。

相変わらず毒舌だが、詩の姿も脳裏にちらつき、颯をもう少し花姫殿へと置くことを姫様に頼み込んだのだった。

そんな中だった。

陽一が現れたのは.......








「.......裏切り者とな....?」

「―本当なのかよーいち!?」

また一段と花姫殿は騒がしくなる。

陽一が、初等部B組のみんなに託された、知らせなければいけないことを話したのだった。

「.....とりあえず、詩は無事なのか」

颯は安堵したように言った。

姫様はかきつばたや花姫たちが戸惑う中、その喧騒を静かに聞いていた。

そして、口を開く。

「そなたら

わらわが結界を張ってやるゆえ、

あの者ら.....

蜜柑の君たちの加勢に行ってやるがよい

菫の君のことも、よろしゅう.......」

これにはかきつばたが驚く。

「罪なき者や大事な者たちの

命の花が無残に散る様を見るのは

もうごめんじゃ......」

姫様は何かを思い出してるかのように、悲しみのこもった目で言った。










.
6/6ページ
スキ