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残酷な現実



先生が亡くなってから、詩は初校長のもとへ出入りしていた。

少しでも、近づくために。





俺は、俺のやり方で動く。





そのために選んだ手段がこれだった。

今の自分にできることをするために。

あいつの顔を見るだけで、底知れぬ怒りが湧き上がる。

しかしそれを必死で押さえ、対峙する。

いつもあいつは俺自身なんかみていない。

俺のアリスにしか興味がない。

だから俺の考えてることに察しがついていようとも、俺を闇に引き込もうとした。

俺はそれを、拒まなかった。






俺は俺のやり方で動く、から。






しばらくして詩は、任務をやり始めた。

それは自分の想像していたものよりはるかにハードで、何度もやめたいと思った。

任務内容は精神的にこたえるものばかりだったし、アリスが寿命を縮めるタイプだということも任務のおかげで知った。

でも、強くなりたいと、守りたいものを守れるようにと、踏ん張った。

だけど、ストレスはひどくて、学園生活でもすぐかっとなるとアリスを使ってしまった。

その後はすぐに後悔するけど、クラスメイトを傷つけてしまった事実は消せなくて、辛かった。

そんな俺を、秀と昴は時に厳しく接しながらもいつも見守り味方でいてくれた。

そんな支えがあったからこそ、俺の決心は決してゆらぐことはなかった。






たとえ、自分の手を汚しても、自分のアリスを汚しても........





任務をこなすうちに、初校長からの信頼も得られるようになってきた。

それと比例するように、周りからの風当たりが強くなっていった。

でも、何を言われても平気でいられたのは、やはり先生の存在が胸の奥にあったから。

先生の笑顔を思い出して、うまく笑えるようにもなったから。

先生の真似ごとと思われてもいい。

結果的に、先生のように正面から向き合えば理解してくれる人が多く、信頼できる仲間も自分で増やすことができた。

学園生活は、本当に楽しかった。

そして強く強く、みんなのその笑顔を守りたいと思った。

先生のように......















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