待ち受ける未来
in 時空間。
「蜜柑」
今にも過去にいる父親に飛び込んでいきそうな蜜柑を、棗はおさえる。
蜜柑の目には涙が浮かんでいた。
「野田先生、穴を閉じてください
これ以上は蜜柑が......っ
お願いします」
殿が言う。
「それが....
時空の荒れがひどくてこれが治まらないことには........
制御ブレスの力もあって
今穴をふさぐことはとても危険です
このままじっとして荒れが治まるのを待つしか....」
「そんな.....」
―ぐいっ
「みるな蜜柑」
棗が蜜柑を、ぎゅっと自分の方に引き寄せた。
みんな、衝撃の事実に目を伏せたくなった。
でも、どれくらいが気づいただろうか?
あの場所に、あるはずのないものがあることを。
でもそれは確かにあって、少なくとも##NAME1##の目にはしっかりと映って、
見間違えるはずのないそれ....
詩の、式神.........
それから推測されることはただ1つ.......
あの場には初校長と行平とレイしかいなかったが、
その事実を間接的に見ていた人がもう1人......
##NAME1##の目からも、涙が溢れていた。
一瞬でわかった。
あの、詩の強い瞳も。
あの、強いゆるがない決心も。
誰かを守る強さも。
すべての理由がわかった。
詩は、見てしまったんだ.....
ふと、肩が誰かに支えられる。
殿だった。
何も言わずに、支えてくれた。
そしてその目はまるで、詩みたいに強くて。
「俺も、詩みたいに強くなる
あいつをもう、1人で戦わせない
1人で背負わせない」
私は、とめどなく流れる涙を流しながら顔を多い、
「私も....っ」
決心した。
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