待ち受ける未来
「....初等部校長のそばにいることで
機会をはかろうと思っていました
私のアリスであの方のアリスを無にするために」
―もう自分や…みんなのような
辛い思いをする生徒を出したくなかった.........
先生達や馨先輩のようにゆく道は違っても
自分に出来るやり方で私も…
みんなを守りたかった
…いろんなことがあったけど
私は学園で育って
家とよべるのはここだけ.........
ここの子達はみんな
私にとって家族なの…
守りたいの
みんなを_______
花姫殿の地下牢.....
「…いきなりこんなところへつれてきて悪かったな
柚香。
お前に紹介しておきたかったんだ
この子を。
レイ…
彼の名前は芹尾レイだ」
―見たとおりあの子は....
みんなが噂するような化物なんかじゃない
出会った当初はあたり構わず撒き散らしていた瘴気も
今は制御することをおぼえて
無効化を使わなくてもあの子と触れあえるまでになった
あの子は生まれた時から
強すぎるアリスとそれによるあの容貌のせいで
親に捨てられ学園にやってきた
学園の人間も強すぎるレイのアリスをもてあまして地下牢に閉じこめたままで
彼は地下牢以外の景色をまだ知らないんだ
レイ(零)という名前も俺がつけた
彼は親から名前すら与えてもらってなかったから
俺はあの子をあそこから連れだして
もっともっといろんな景色がこの世にはあるんだってこと
沢山教えてやりたい
この先も......
この世に生まれてきてよかった と
心から感じる瞬間にめぐりあってほしい
「....きっとめぐりあえるよ
私が自分のアリスを好きになれたように
長い時間はかかっても…」
―先生
ずっと小さい頃からの夢があるの…
小さいようで
私には絶対叶わないとあきらめてた夢........
昔きいた歌のように
大好きな人と一緒に暮らすの
小さな家で 子供に囲まれて.....
子供達には決してさみしい思いはさせないの
2人で沢山 沢山愛して
いつもそばにいて
いつも笑って
そんな家族をつくるのが夢だったの……
―叶うよ、柚香
2人できっと
叶えよう.......
RRR.....RRRRR.........
電話が鳴った。
この電話が、後に多くの人の運命を大きく左右するものとは、柚香も、行平自身でさえも思いもしなかった_______
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