待ち受ける未来
「えーっっ!!
アリスストーン実習!?
その年で!?
マジで!?」
安積柚香、今とても困惑しています.....
「おねーちゃんもらって~」
「だめっ僕の石もらってー!!」
「えっもらえないよこんな立派な石....」
「う゛....っ」
「もらってくれないの...?」
「え....あ...困ったな....」
.....そんなやりとりを他人事のように見ているナルと詩。
「お前が珍しく柚香先輩に用あるっていうからなんだと思ったら
コレかよ....」
「しょーがないだろ
あいつらがうるさかったんだから」
「.....俺だってその年くらいでそれ以上の大きさの石作れたよ」
「しっとかよ、だせー」
「何だとこのくそガキ!」
「ほんとのこといっただけだろ。
柚香のこと好きなんでしょ」
「てめぇ
何呼び捨てにしてんだ
調子乗るとフェロモンかますぞ」
「やれるもんならやってみろばーかっ」
「上等だコラ」
―バシッ
「あんた初等部相手に何まじになってんの」
後頭部に一撃をくらい、頭をおさえる。
横で詩は面白そうににやにや笑っていた。
そして、
「ゆかーっ
俺のももらってよ」
と、無邪気に言っていた。
―コイツ、柚香先輩がいなきゃ.....!
そんなことをナルが心に思っているとは知らず、柚香は詩と話し始める。
「そういえば詩、もう謹慎解けたんだ」
「え....あ、うん」
6歳児は、少し戸惑って肯定する。
「あんた、前にあの子に言われたこと覚えてんでしょ?」
柚香は秀一と言い合ってる昴に目を向ける。
「....うん、覚えてるよ」
「そう。
それなら、どんな時もその大事な友達の顔忘れないようにしなきゃ。
心配したんだから」
ぽん、と頭を撫でられた。
そして、いつもの笑顔を向けてくれた。
「わかってる」
詩は本当に反省してるようで、櫻野と昴を見つめ、頷いた。
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