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憎めない奴(殿内side)



殿内明良、14歳。

彼女とのデート中に勝手にアリスが暴走して、現在に至る。

わけもわからずアリス学園に連れてこられ、おまけにこれから外界との接触を一切禁止なんて急にもほどがある。

自分がアリスであると言われてもぴんとこなくて、頭の中が整理できていない。

そんな中、俺の学園生活は幕をあげた。

こんなわけわかんない状況で、グレないほうがおかしい。

自分の声が無視されているような気分で、大人たちの都合のいいように利用されているように思えて、イライラしていた。

この環境を受け入れることを拒否し、すべてを遠ざけていた。

そんな俺に、一番に声をかけてきたのが詩だった。






「よ、殿内」

そう肩に置かれた手をうっとうしく感じ、返事は睨みで返す。

でもそいつは動じることなく、笑顔を絶やさない。

てゆーか、前髪長すぎだろ。

詩に対しての第一印象はその程度。

馴れ馴れしい奴。

なんて思っていた。

無視していると、俺の向かいに座り、

「お前、特力だろ?

今日能力別クラスあるから一緒行こうぜ」

ときりだす。

「は...?」

特力?能力別....?

初めてきく言葉に、顔をしかめた。

そんな殿をよそに、詩は聞いてもいない名前を名乗りだす。

「俺は、東雲詩。

趣味は悪戯とさぼりと寝ること!

よろしくな!

俺のことは詩でいいから!」

そう言って、また笑みを向けた。

なんとなく、理由はわからないけどイライラした。

こいつとは仲良くなれる気がしないと、この時は思っていた。

「新しい仲間紹介するから、とりあえず授業終わったら開けとけよ!

てゆーか、そんな顔ばっかしてるとじんじんみたいになっちゃうよー?」

クスクスっと、笑ってそいつはその場を離れてしまった。








なんなんだよ、あいつ.....







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