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家族/唯一のつながり



in時空間。



「詩も....自分のアリスであんな思いしてきたんだな」

ふと、殿が言った。

「そうですね。

でも彼はそれから、少しずつではありますが、自分のアリスと向き合っていきました。

その手助けこそ、行平先生がしていらしていましたが、最初のきっかけは、やはり蛍さんのお兄さんである、今井君のおかげですね」

のだっちは蛍に視線を向けた。

本当は強くて優しい兄。

でも、その兄が大切なものを大切じゃないフリをしなければならなかった理由......

学園を離れる前に、知らなければならない。







のばらは、殿と同じ心境だった。

いつも笑顔で、こんな自分をいつも励まし、背中を押してくれていた先輩の過去。

自分のように、アリスと向き合えないでいた弱い心。

でもそれを、先輩は乗り越えた。

自分も強くならないと......

のばらは密かに思っていた。








また、棗も同じ心境。

いつもの、式神を使いこなす詩とは想像もつかなかった。

それと同時に、蜜柑の父親と自分に絡んでくる詩の姿が重なった。









「なぁのだっち。

さっき蜜柑の父親が言ってた、詩の学園に来る前のゴタゴタってなんだったの?」

翼が問いかける。

「そうですね。

見に行くことはできますけど、ここからは一切学園に関係なく、詩くん個人のことになってしまいます。

勝手にのぞくのも、どうかと思いますが.....」

のだっちは控えめに言った。








「先生、私はそれでも見に行きたいです。

勝手に詩の過去をのぞいて、詩になんと思われても、私は詩のすべてを知りたい。

受け止めたい。

私は、以前詩に救ってもらった。

それと同じように私も詩を救いたい」

##NAME1##が言った。

のだっちは頷いてくれた。








「では、行きましょう。

詩くんの過去へ。

ここからは、私も知らないことです。

どんな事実が待っていても、彼のことを受け止めましょう」

のだっちは真剣な眼差しでそう言った。










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