式神のアリス/弱さと幼さ/未熟な式神
「なんなんだよあのガキ.....」
そう思いながら、特力の教室に足を踏み入れた。
途端に、目を見張る。
そこは、ひどい有り様だった。
そこら中に本などの物が散らばり、本棚はなぎ倒され、机もぐちゃぐちゃ。
そして、特力メンバーたちがそこら辺に座り込み、震えていた。
俺はすぐさま駆け寄った。
もちろん、柚香先輩のもとへ。
「柚香先輩!?.....何があったんだよこれ!」
柚香先輩は震えてはいなくて、ただ呆然としていた。
「ナル....」
そう呟いて、気を取り直す。
「みんな!ケガはないか?!」
奥から出てきたのは
「先生....」
柚香先輩がまた呟いた。
「先生!何だよこれ.........もしかしてあのガキが?!」
「おう、杏樹。お前も詩と会ったのか
......はぁ。
またやっちゃったよ。さすがにこればかりはうやむやにできないな......」
先生は何やらブツブツ言っている。
「お前も、少しは噂くらい聞いたんじゃないか?
初等部の新入生、東雲 詩のこと」
先生は罰が悪そうに頭をかきながら言う。
「しののめ、うた........」
そう、名前を呟いてさっきそいつが出て行ったこの部屋を改めて見直す。
―何者なんだ?あいつは.....
.