このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

色とりどりの感情/切ない初恋



翌朝。





―あれ....?

アリスストーンがない....どこにも。




「アリスストーンなら

いつまでも他人にみせるのもったいないくらいキレイだから、

とっくにしまったよ。内にね」






―柚香先輩、知ってる?

僕のアリスをキレイと言ってくれたあの日から、

どんな時も僕は、

独りを感じることはなくなったんだよ。

胸にしまった星屑に、

あの時の温もりがまだ

残ってるからなのかな........







―初めから片思いの、ある意味 失恋から始まった僕の恋は、

それが当たり前すぎて

悲しいだなんてちっとも思わなかったよ。

それよりも、人を好きになれた喜び

気持ちを伝えられなくても彼女がそばで笑ってくれる奇跡

それを守るためなら、僕は何だってするよ。









―あれから約半年後、

中等部1年 13歳の夏

柚香先輩は中等部3年 15歳の夏____





この頃の柚香先輩は、

先生の協力もあって

特力クラスメンバーともうちとけて

数少ないながらも

信頼できる仲間に囲まれていた。




―とはいっても

彼女を取り囲む厳しい状況は相変わらず




「この間アリスなくなって退学になった子いたじゃん?

アレ絶対安積柚香のせいだよー」



「どろぼう....」



「元愛人....」



「...知ってる?

もし安積柚香を....」








―守りたい。

少しでも早く柚香先輩より大きくなって、

彼女の周囲を吹きすさぶ逆風から。

彼女を苦しめる全てのものから、

笑顔を....






.
5/6ページ
スキ