色とりどりの感情/切ない初恋
「大変です!行平先生!
初等部の鳴海君がまた、教師を誘惑して××△△△な恥ずかしい写真をバラまいていますっっ!!」
歪んだあの頃の言い訳じゃないけれど、
僕の子供時代は思い返したくない程度には、
それなりに悲惨だった。
でも不思議と、
自分の人生
そう悪くないと今でもそう思えるのは、
柚香先輩
あなたに出会えたから
...................
「ナル....
手をはなして。
もう....逃げたりしないから」
―あの時、この手をしっかりつなぎとめていられたら
僕等は今頃、
どんな風に違っていたんだろうか。
ねぇ、柚香先輩.......
................
―初等部B組、12歳
ここから遡って2年前。
右も左も分からないまま、
学園のいいなりに
僕は〝任務〟をはじめた
そしてこの頃の僕は
自分の強すぎるアリスと
こなす任務のストレスで
頭と心の奥のどこかがマヒしてたんだと思う
僕にとって人の心なんて、意味のないものだった
その気になれば、どんな人間のも簡単に手に入って、
手に入れたところで空しいもの。
どうとでも操れる不確かで疑わしいもの。
.......わずらわしいもの。
「あの子、大人相手に色じかけ的なこと任務で.....」
「やだー...子供でしょ?」
「確かにそういうアリスだけどさーやばくない?それ」
.