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“先生”/時空の旅



in 時空間。






「のだっち、今言ってた〝特別生徒〟って.....」

「...ああ

あれは当時、今でいう〝危険能力系〟クラスが存在しなかった頃の

いわゆる〝危力系生徒〟にあたる呼称です」

「現状もどうかとは思いますが、

昔は今よりもそういう生徒への扱いや配慮がよりぞんざいで、

彼らに対する周囲の理解も今ほど得られておらず、

それによって彼らの周りから受ける対応も露骨なものでした」

「行平先生はこの時から、

そういった生徒を支え 守り、

彼らの居場所をつくることに心血をそそがれました

.....時に己を捨ててまで動こうとなされるほど、

行平先生の目に映った彼らの扱いはそれ程非人道的なもので......

今に至っても完璧ではないものの

彼らを守る場所でもある危力系の礎を築かれたのは行平先生の尽力なしには語れないほどで

.........あの時

柚香さんの時も.......

行平先生の必死な行動がなければ

彼女の人生は大きく歪んでしまっていたのかもしれません」





「そして、危力系を、行平先生の精神を、カタチにすることに成功したのは、

紛れもなく、〝詩くん〟のおかげです」






「え....詩先輩が?」

「詩が?」

蜜柑と##NAME1##が言う。

「はい。

まだ詩くんが入学するまでは遠いですが、

その時の彼の扱いや、何より気持ちの面で誰よりもサポートしてくれていたのは佐倉さん、あなたのお父さんである行平先生でした。

そんな行平先生に、詩くんは言葉で言い表わせないくらいの感謝をしていて、

今も先生の意志を受け継ごうと動いています」




「危力系の創設にあたり、彼は行平先生のように心血を注ぎ、

自らの手で危力系をつくったといっても過言ではありません。

危力系総代表も彼が初代なんですよ」





蜜柑は、改めて父を尊敬すると共に、詩のすごさを知った。

そしてもっと、なぜそこまで詩がするのかを知りたいとも思った。

そしてどことなく、父親の行平と今の詩が似ているなと思った。

そう思っていたのは蜜柑だけではなかった。






―よ!

こんな奴らが集まったとこだけど、ここはお前の居場所だからな。

アリスのせいで人生損するなんてマイナスなこと考えねーで、楽しく生きてこーぜっ!

なんかあったら俺を頼りな、日向棗!







あの時の言葉とともに、肩に乗せられた手の感触とうざいくらいの笑顔を、棗は思い出していた。









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