同志/高校長のもと
##NAME1##は顔をあげて言った。
目は、しっかりと高校長をとらえていた。
「詩は......1人で何と戦っているんですか?
今だけじゃない。
私には、詩がずっと何か重いものを背負い続けて、1人で戦っているようにしか見えてならない。
何で詩は、自分の身を投げ打ってでも、この学園のために走り続けるんですか?
そこまで詩を動かす何かが、あるんですか?」
しん...と辺りが静まり返った。
はっとしたような表情の人もいれば、やるせない表情の人もいて、高校長の言葉を待つ人もいた。
「我々は、今までずっと彼の行動を静観することしかできなかった。
どんなに無茶なことをしていても、とめずに、成り行きに、彼自身に任せていたところがあった」
皆の視線が高校長に集まった。
「それは、彼自身が初校長の懐の奥深くに潜り込んでいたこともあって、立場上不可侵なその領域に踏み込むことができなかった。
ここに集っている同志たちに、彼の動向をとめずに見守らせたのも私の判断だ。
彼をひとりで戦わせ、結果重いものを背負わせるようなことになってしまったことは、本当に胸がつまる思いでしかない。
今ここで、彼がどうして学園のために身を賭してまで必死なのか、話している時間は残念ながらない。
.....だけど、これから蜜柑たちがいく過去の旅でなら、彼の行動の理由がわかるはずだ。
蜜柑の母親、安積柚香の件とも無関係ではない。
学園の過ちの歴史でもあるが、どうかこれからの未来を紡ぐ君たちには見てきてほしい。
____野田先生、いいですね?」
「はい....」
のだっちは静かに頷いた。
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