同志/高校長のもと
「―いたぞっ!
東雲詩だ!」
―見つかった....っ
セントラルタウンの町外れ。
そこに詩は潜伏していた。
体力回復のために一休みしていたところだったのに、意外と早かった。
詩は一層気を引き締める。
詩の周りから式神の大群が現れ、それが一気に風紀隊へと襲い掛かる。
それは風紀隊たちにまとわりつき、自由を奪う。
風紀隊たちがもがいているうちに、詩はその場から遠ざかる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁ......」
詩は膝に手をつき、息を整える。
溢れる額の汗を腕で拭う。
走ってかいた汗だけじゃない、嫌な汗だ。
そして、左腕を抑える。
そこからは赤い血が溢れ出していた。
追手の中には武器を所持した者もいた。
久遠寺はとうとう手段を選ばないということか。
走っている間はあまり思わなかったが、今は傷口がずきずきと傷む。
詩はその場に座り込んだ。
目をそらしたくなるほど汚い裏の仕事をやってきたのも、
どんなに不本意であっても久遠寺に従ってきたのも、
全部全部、この学園を変えるため。
どんなにぼろぼろになっても、学園の未来のためなら、構わない。
ここは、先生がくれた俺の、たった1つの居場所だから.......
アリスであることを、不幸に思う人が一人でも減ってほしいから.....
先生の死を、決して無駄にしないと決めたから_____
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