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旅立ち/目覚めたとき



「蜜柑、棗のことは大丈夫だ。

俺の自慢の友だちがついてるから、心配しなくていい」

詩は、いつもの笑顔で言っていた。

信頼できる友だち、昴。

「蜜柑と一緒に守った学園を、これからもずっと、守ってくよ。

俺は、蜜柑の笑顔と、その強さをみるたびに希望がもてた。

それがいなくなっちまうのは寂しいけど、蜜柑ならきっと、どこにいても未来を切り拓ける。

困難なことがあっても、蜜柑にはたくさんの味方がついてる。

頭の中では忘れても、蜜柑の心の芯までは誰も消せねーよ。

新しい場所へ、行ってこい!蜜柑!」

詩はそう、元気に蜜柑を送り出した。






鳴海も、笑顔で言った。

「アリス学園卒業おめでとう

佐倉蜜柑ちゃん

君がいてくれて、

僕らにどれだけ喜びが生まれたか。

笑って、蜜柑ちゃん

この別れが、

きっとまた僕らを強くしてくれる」






蜜柑はたくさんの人に背中を押されて、最後には笑顔で、学園の門をくぐりぬけた。

志貴の目にそれは、かつて棗の母馨と交わしくしくも果たされなかった約束が思い出された。

この正門を、笑顔で堂々とくぐりぬける....

時をこえて、蜜柑はそれを成しえたのだ。






「みんな、またね!

元気で!」





今日の太陽は、すべて蜜柑に味方しているかのように降り注ぎ、照らしていた。

その何よりも明るく輝く姿を、みんな、しっかりと目に焼きつけていた。

どうかこの少女の未来が、明るいものでありますように__________








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