終局/すべてを懸けて
「詩!」
「棗!」
##NAME1##と蜜柑がたどり着いたとき、詩と棗は二人とも床に倒れていた。
2人とも、ひどい出血だった。
しかし、炎は燃え続け、式神も久遠寺の喉元ぎりぎりのところに突き立てられていた。
##NAME1##と蜜柑は急いで駆け寄る。
そこで二人とも、同じように固まった。
その頃には、時空間から帰ってきたのだっちや初等部のクラスメイト、生徒を避難させて戻ってきた殿や翼もいた。
「棗...息をしてない....」
「うそ....詩も....呼吸が....ない....っ」
その言葉に、皆、息をのんだ。
蜜柑と##NAME1##も、お互いに顔を見合わせた。
絶望に、顔が曇る。
「詩、アリスはもういいから...っ
ねえ、詩.....!!
死なないって言ったじゃない!!
こんなの...こんなの....」
必死に詩の名前を呼び続ける##NAME1##。
そして、あの元凶に目を向ける。
まだ、炎にまかれ、詩の式神が喉元までせっていた。
意識がないのに....
たぶんこれは、結界に反応した詩のアリス....
あなたみたいな人のために!
詩のこのアリスが使われるなんて、もうみてられない!!
「詩の!!
詩のアリス返しなさいよ!!
あの時詩から奪ったアリス、全部返してよ!!
詩の命、返してよ!!」
##NAME1##は、炎の中心にいる久遠寺にとびかかろうと向かう。
「##NAME1##ちゃん!危ない!」
殿が、叫び制すが##NAME1##はとまらなかった。
燃え盛る炎など見えていないかのように、久遠寺の喉元へ手をのばす。
それと同時に、蜜柑も叫んでいた。
「そんな火もういいから!
命を延ばして!
かけらでもいいから、戻ってきて!
ずっと一緒にいるって約束したやん!
アリスを、止めて!!」
神様...っ
お願い。
どうか、この枷を外して....
##NAME1##と蜜柑の願いはアリスの光となって現れる。
強い2色の光が、その場を包み込んだ。
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