終局/すべてを懸けて
かろうじて、久遠寺を守るアリスが敗れるか、
俺たちのアリスが力尽きるか....
後には引けない。
必ず片をつけてみせる。
ー俺の後の世代に、お前の毒牙のしみ一つ、もう何も残させない....っ
ー俺が受け継いだ先生の意志を、この学園に本当の光をもたらすためにも、お前だけは絶対に、闇にほうむらなければならない
炎と式神にまかれる久遠寺を前に、先に膝をついたのは棗。
まだ意識はあるが、危うそうだ。
続いて、詩もひざまずく。
この式神のアリスが消えるときは、きっともう、俺の命もないだろう。
みんなに出会えて、とても幸せだった。
アリスを恨んだときもあったけど、こうして命が消える淵にたたされてもなお、今は自分のアリスが好きだと胸を張って言える。
そう思わせてくれた仲間がたくさんいた。
だから、最初からこの瞬間のことは想像していた。
仲間への恩返しと、アリスで傷つけてしまった人への罪滅ぼしとして.....
でも、##NAME1##や蜜柑、本気でぶつかってくる殿たちの目とまっすぐ向き合うようになってからは、一緒に生きる未来を想像していた。
だからさ、俺、生きてえよ....
この隣にいる棗も一緒に、生きてえよ....
もう、お前はがんばったよ棗。
だからこれからすることを、許してくれよな。
詩は、操っていた式神をひとつ、棗のほうへむけた。
しゃっという音とともに、棗の意識は途絶える。
服従の式神だった。
少し、炎は弱まった感じがしたが、まだ残っていることに少し驚く。
これで最後だ、校長。
俺のありったけのアリス、受け取れよ。
俺のアリスが、ほしいなら、くれてやる。
その喉元でよければな....
.