差し出した手/踏み出した一歩
ー##NAME2##、佐倉さんとペルソナのサポートを結界で....
そう櫻野にいわれ、##NAME1##は蜜柑とペルソナ3人で追手から逃げていた。
ドッ....
ただならぬ建物全体の揺れに、立ち止まる。
「何今の....っ」
本部で今、何が。
蜜柑は不安げな顔だ。
「追手も減ったように感じる....
もしかして」
察した##NAME1##に続けて口を開いたのはペルソナだった。
「多分今頃、詩や棗たち精鋭がここ本部に
初校長暗殺のために最後の奇襲にかかっているのだと思う。
おそらくあっちは、初校長側が相当な人員を割いて激戦に...」
激戦、という言葉をきいて、蜜柑と##NAME1##の顔が不安に歪む。
「うちが、脱走なんかしたから?
棗はあんな体やのに、何でそんなこと...」
##NAME1##も、詩の身体が心配だった。
「棗や詩の体調の悪化は、私に責任がある。
私は今まで生徒を、同じ“人”としてみることを拒否してきた。
自分がそうされてきたように。
私が今まで味わってきた恐怖、同じ闇へと、彼らを何度も何度も突き落としてきた。
...君たちを安全な花姫殿に送り届けたら、必ず私が彼らのもとへ向かう。
私の命にかけて、彼らを死なせはしない」
詩や棗の暗い瞳を無視して、何度任務へ送り届けただろうか。
何度、罰則で彼らを傷つけただろうか。
ペルソナは自分の犯してきたことへの贖罪だと、当然のように言う。
しかし蜜柑はそれをはねのける。
「誰も...棗も詩先輩も、あんたも、
命かけるとか簡単に言わんといて!
前見てるようで後ろ向きなことばっかり!
誰が何と言おうと、当のウチが守られてるだけなんてもうごめんや。
過去を繰り返すように誰かが死ぬなんてもういやや。
そんなこと、絶対させへん!
ウチだって、みんなを守りたい!」
蜜柑の言葉にうなずき##NAME1##も言う。
「私もこの学園を変えたいと強く思って、過去をみることを志願して、行ってきました。
今の詩も、過去の詩もみてきて思います。
彼はあなたのことを許す道を、きっと選びます。
行平先生の愛情をまっすぐ受け取った詩は、あなたと共に生きることを選びます。
私だって一緒に戦うと決心しました。
蜜柑ちゃんが行くといってるんだもの。
私はその道をつなげたい。
この結界のアリスで、棗君のもとへ送り届けてみせる」
「##NAME1##先輩....」
ペルソナは、2人の言葉にまた深く頷くのだった。
.