反撃の狼煙
テレポートした初校長。
その首元には、赤く式神の張り付いた跡が浮かび上がっていた。
炎により、体中の火傷もひどかった。
でも、医療班や結界のおかげでなんとかなっている状態だった。
「詩....っ
なぜお前がアリスを使えるんだ?!
姿は見なかったが見間違えるはずはない!
至急詩のいた部屋を確認させろ!」
「はいっ!
ですが、もし何らかの影響でアリスを手にしたのなら、結界は皆無かと....。
彼の特質上、結界を抜けるのは容易以外の何物でもない」
「くそ.....っ
なぜ詩はアリスを手にしている?!
誰だ?!
詩にアリスを渡したのは....っ
詳細を今すぐ調べろ!!!!」
初校長側も、慌ただしく動きだす。
ついに、蜜柑の身にも影響が及ぼうとしていた。
「-佐倉蜜柑、聞いてるか!
中校長代理の公約違反により、君の身柄はたった今から初校長預かりとなる。
この部屋は中校長代理の結界で強く守られてるゆえ、こちらが強硬手段をとる前に、君の方からただちにこちらへ出向きなさい」
モニターで鳴海の演説をきいていた蜜柑は、みんなの身を案じていた。
そして慌ただしい扉の向こう側に、戸惑うことしかできなかった。
そんな蜜柑がある気配を感じ取り、その正体に気づきはっとする。
誰も出入りできないはずの、窓辺。
そこにいたのは....
「の....のばらちゃん....!?」
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