反撃の狼煙
―バシュッ
―バシュッ バシュッ !!!
ステージ上で鳴り響く銃声。
ホール内は一瞬にしてパニックに陥る。
突如戦況は一転する。
鳴海が捉えていたのは初校長に姿を変えていた五島だった。
そして本物の初校長と共に出てきたZのボスが、鳴海に銃口を向けていた。
一瞬にして、初校長側が優勢になったと思われた。
しかし、起点を利かせた初等部B組がマイクをレオに届けたことにより、レオが声フェロモンを使ってその場を落ち着かせることができた。
特定の人を除き、その場のみんな、気絶する。
その機会を見逃さなかったのは神野。
雷が、初校長へと襲い掛かった。
かろうじて、初校長のまわりの結界が初校長を守っているという状況だった。
それをみた教師たちも神野に続こうと決意を固めていた。
「初校長をお守りしろ!」
「あそこだ!」
「テロ犯を捕獲しろ!」
「カメラをおさえろ」
「風紀隊が建物に入れないよう強力な結界だと....?!
しっぽを出したな志貴...っ」
さまざまな声が飛び交う中、とうとう棗が動いた。
巻き起こる火の竜巻が初校長周辺の風紀隊を蹴散らした。
そして......
誰もが予期しなかった、あの存在も.....
棗ははっとした。
自分のアリスに式神が混じっているのを確認して。
式神の威力によって、火と風は強さを増していた。
もはや火傷だけではすまないだろう。
周りも気づいていた。
その攻撃を向けられている初校長も。
そして神野は叫ぶ。
「日向!!!
そいつを逃がすな!!!!!!」
式神の威力にのって、火はさらに勢いを増す。
棗はそれを、力の限り思い切り向けた。
途端に、炎を帯びた式神は初校長の喉めがけて張り付いた。
大きな爆音とともに、あたりは炎と煙に包まれた。
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