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共鳴



長期任務で学園を出て1ヶ月になる。

昨日は大きな任務で、体は疲れているはずだった。

しかしなんだか頭がさえ、早朝に目が覚めた。

顔を洗いにいこうと廊下へ出ると、東堂の部屋の少し開いたドアの向こうから声が聞こえた。

こんなに朝早くからどうしたのだろうと、不思議に思い体は動いた。

ここは一年代前に栄えた、今はもう倒産した会社のオフィス。

それを仮宿にしているから、戸のしまりが悪かった。







『....はい、東堂です。

はい....

えぇ....事故ですか?

安藤...翼?

任務中に行方不明....

珍しい失態ですね。

それとも、核心にせまっているということでしょうか。

えぇ....わかってます。

もちろん東雲詩には言いませんよ。

こちらの任務も大詰めですからね。

任務に集中できなくなるのは避けたいので。

彼が帰る頃にはその件も落ち着くでしょうしね。

はい....では』

東堂は電話を終え、一息つく。

ふと人の気配がして、振り向いた。

一瞬にして、その冷静な顔が同様の色に変わる。

「詩...

今の会話もしかして」

「すいません、東堂さん。

あなたは悪くないんでしょうけど、協力してもらいますよ。

急用ができたので」

詩の冷たい瞳を最後に、東堂の意識は無くなった。









東堂は、何の感情もないようなどこを見ているかわからない目をして立っていた。

胸には、式神が張り付いていた。

「服従の式神......

初校長、あなたが見出したこの力が役に立つとはね」

詩は自嘲気味に1人呟き、仲間がまだ眠る部屋へ行った。

そこでも全員に式神を貼り付け、部屋をあとにした。

その後は、自分の意思をなくした東堂に車を運転させ、学園を目指した。









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