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契約



##NAME1##の姿をみた志貴は、表情を変えず、だけどどこか決心を固めたように、柚香を抱きかかえながら前に出た。

そして、初校長と向き合った。






「―あなたの中に、我が身の保身以外で生徒達に対して少しでも良心が残っているならば、

あなたではなくこの学園.....生徒達のためにあなたと取引きをしてもいい。

正当且つ厳密な取引きを。

私が選んだ〝契約〟のアリス使いのもとで衆人環視を立ち合いに

....結果それがあなたを守るなどまっぴらな話だが私の要求を受け入れるなら

私もこの運命を甘んじて受け入れよう。

病床の姫宮の意志を汲んで....

次代中等部校長としてこの学園の守りに一生を捧げ、ただちに結界の修復に尽力する。

その代償として、命を賭してあなたに守ってもらう契約―――」








1つ、「中等部及び高等部への完全なる不可侵と治外法権の確約」





2つ、「高等部校長の無条件復帰、彼及び周囲への冤罪を認め名誉と権利の回復」





3つ、「今回の事件に関わったすべての生徒教員達への処分保留、佐倉蜜柑含むすべての身柄は私 中校長代理預かりとする」





4つ、「安積柚香の遺体の取引き先は私とし今後一切の干渉を禁ずる」













「―これ以上の譲歩はありません。

契約はお互いの命(全存在)をもって成立とする。

選んでください。

他にあなたにもう、生き残る道はないはずだ」










詩は息を呑んだ。

そして、再確認した。

これが、〝守る〟ということ。

自分の命を賭して、これから先のことすべてを捨て、学園を守るという決意をした志貴。

彼の眼差しは強く、詩にはその存在すべてが、大きく見えた。

この人はすごい。

守りたいという思いだけでなく、それを可能とする絶大な力がある。







そう思いながら、初校長を見た。

でも絶対、あいつを地獄に叩き落すのは______











初校長は迫られた選択を前に、顔を歪めていた。

そして、口を開く。







「条件はのめない。










2つだけ____」










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