爆発/悪夢は再び
##NAME1##は冷静さを欠き、ずっと詩の名前を呼び続けた。
頬からはとめどなく涙が溢れていて....
と、その時だった。
―ビクン.....
詩が、動いた。
「う...っ」
そんな声も漏らした。
暗くなりかけた空に、また日がさしたようだった。
「詩、詩!?」
そう、叫ぶように言った。
すると詩はゆっくりと、##NAME1##から自分の体を引き離した。
「##NAME1##.......よかった、無事で」
そう言って、詩はいつものように笑ったんだ。
そう。
彼はいつもそうだった。
いつも他の人の事ばかり1番に考えて。
自分の後先なんて考えないで。
そして、どんな時でも笑うんだ。
安心させるようなその笑顔。
その笑顔が見れなくなるんじゃないかって、不安だった。
怖かった。
詩を失うのが、たまらなく怖かった。
「まーた泣いてんの?
言ったじゃん、俺はそうカンタンに死なないって、
##NAME1##を守るって。
##NAME1##のそばにずっといるって」
詩は、ぽんっと##NAME1##の頭を撫でた。
##NAME1##はその手を自分の手で包み込み、引き寄せた。
「怖かった。
でも....信じてたから」
あの時の約束を.....。
「大丈夫か?」
「詩先輩っ」
駆け寄ってきたのは、志貴と蜜柑、そして棗。
「俺は大丈夫っすよ....それより柚香さんとナルの方が爆心に近かった」
志貴はその言葉を聞いて表情を変え、爆発による瓦礫の中へ急いだ。
詩もまた、思った以上にひどい爆発の跡をみて、不安がよぎった。
―柚香さん、ナル.....っ!?
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