爆発/悪夢は再び
―ドド....ン!!!!
大きな爆音。
大きな衝撃。
熱い爆風。
考えるより先に、体が動いた。
自分の手の先に繋がれているその存在。
それを引き寄せて、覆いかぶさる。
それと同時に、頭、肩、背中に衝撃が走った.........
―##NAME1##、お前は俺が守る。
「.....う...た?」
腰が抜けたようにその場に座り込んでいる私は、状況が飲み込めなかった。
ただ、私を覆いかぶさるようにして抱きしめる詩の感触。
その詩は、動かない。
ほとんど全体重が、私にかけられているようだった。
詩の肩越しに見える風景が、今の状況をそのまま表していた。
柚香さんが鍵穴に鍵を差し込んだ時だった。
爆発が起こったのは。
それは一瞬のできごとで、何がおきたのかなんて全然わからなくて。
もし、詩がいなかったら私は無傷じゃ済まされなかった。
でも、詩が.....
「う、た?」
恐る恐る名前を呼んで、動かないその体に手を回した。
「いやっ!詩!?」
すぐにその手を戻して、手を見ると、赤黒い血がついていた。
「詩、詩、詩!?」
この現実が受け止められなくて、うまく体に力が入らない。
詩のことを確認するのが怖かった。
この伝わる温もりが、冷たくなっていくようで、怖かった。
「うた....」
声が震えた。
イヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ..........
そんな、詩が.....詩が.............
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