歓迎/お気に入り
―バンッ
のばらは、壁に押され倒れる。
「ルイ、お前もさっさと追え」
心配そうにのばらを見つめ、動こうとしないルイに、ペルソナは強く言う。
「ルイさ....」
―バッ
言葉をさえぎられ、仮面が投げつけられる。
「お前には幻滅だ、のばら
こんな事をして、どうなるか分かってるんだろうな」
「ペルソナ....」
のばらは泣きそうな瞳でペルソナを見つめる。
それに動じず、ペルソナは冷たい瞳をのばらに向ける。
「せっかくお前だけは.....可愛がってやったのに
私がお前に寄せた信頼の、これが答えというわけか......
残念だのばら....」
ペルソナの、どこか哀しみに満ちた冷たい声が部屋に響いた。
そのやりとりをなんとなく聞きながら、久遠寺は窓の外を睨みつけるように見つめる。
その先には、ちょうど蜜柑、棗、鳴海がにげていくところ。
と、そのとき、部屋の電話がうるさいくらいになった。
いつもと同じ音量だが、なぜか嫌な予感がした。
電話をも睨みつけるように、受話器をとり、ゆっくり口を開く。
ペルソナはのばらを風紀隊におさえさせると、その視線を受話器をとっている初校長へ向けた。
「....わたしだ」
久遠寺という名を名乗り、話を進める。
声は冷静に聞こえるが、その顔は鬼のような形相だった。
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