爆発/悪夢は再び
「詩っ!」
危うく飛びかけた意識を、呼び戻す声。
そして、膝をついている今にも倒れそうな俺を支えるのは.....
「##NAME1##....」
自分でも、かすれて弱々しい声に驚いた。
「バカ、詩....
無理しないでって言ったじゃん!
無事でいるって言ったじゃん!」
涙を溜める##NAME1##。
「悪い、##NAME1##....」
詩はそう言って、##NAME1##の胸元に手を伸ばした。
そこが、青く、強く光っていた。
それに導かれるように、ほとんど意識の無い詩の手が伸びていた。
##NAME1##は気づいて、急いで胸元から、光っているそれを取り出した。
―詩の、アリスストーン.....
詩の指先がそこに触れただけで、光が増して詩の中に吸収されていった。
消えかけた命の灯火に再び光が灯ったようで、その光景は幻想的だった。
「はぁ.......はぁ.......はぁ........」
ゆっくりと息を整え、徐々に感覚もはっきりしてきた詩。
顔をあげるとそこには、愛しい人の安心したように微笑む顔。
「詩...
詩のアリスって、きれいだね」
純粋に##NAME1##は、感動していた。
一筋の雫が頬を伝っていた。
大好きな人が傍にいる奇跡。
それを、改めて実感できた。
一方の詩は、自分のアリスの温もりを確かに感じているところだった。
これはきっと、##NAME1##の温もり。
「##NAME1##、ありがとう。
.....でもどうしてここが?」
「詩が呼んだんでしょ」
悪戯っぽく##NAME1##は笑った。
「私の中にも、櫻野くんのアリス石が入ってたの。
詩の声が聞こえた気がしたから。
櫻野くんたちは別の方向から鍵穴のところへ向かってるわ。
今井くんも、取り戻したよ。
蛍ちゃんともちゃんと再会してる」
「そうか、よかった....」
詩は、安堵していた。
そのあと、また真剣な表情に戻る。
「俺も行かなきゃ。
蜜柑たちを見送ってやりたい」
「うん...」
##NAME1##はもう、とめなかった。
詩を、信じているから。
―この手を、もう離したくない....っ
##NAME1##は繋がれていない方の手で、そっと涙を拭った。
さっきまでの再会した喜びの涙がほら、もう切ない涙に変わってる。
でも、詩には気づかれたくないから.....
本当は不安で不安で仕方ないけど。
目の前で不安定に揺らぐこの存在を、ずっと、繋ぎとめておきたいというこの気持ち。
再確認する、この気持ち。
―大好きだよ、詩。
愛しくて、切ない....私の気持ち。
私も、蜜柑ちゃんたちのことを見届けないと....
詩の守ろうとしたもの、それを守れた瞬間を一緒に、詩の隣で見届けたい....っ
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