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爆発/悪夢は再び



詩の式神で相手が混乱している間に、詩を含めた蜜柑らはみんな、高等部へとテレポートした。

もう少しで、すべて終わる。

そして、蜜柑と柚香さんの家族の時間が始まる。

それまでどうか、この体がもちますように.....

高等部内の敵は、外よりも圧倒的に多かった。

四方八方から来る敵を、最後の力を振り絞るように倒していく。

「詩っ!

お前はアリスを使うなっ!」

鳴海の声が、爆発や攻撃の音の間を縫って聞こえてきた。

それに対し、大声で答えた。

「人の事心配してる暇あんなら、柚香さんを守れ...っ

俺は大丈夫って言ってんだろ!

何回も言わせんな!

お前、今度こそ誓ったんだろ!?

もう、後悔すんじゃねーよっ

もう、あんなお前、俺だって見たくねーんだっ

ここは俺が1人で受ける!」

―ズサッ

と敵を倒しながら、詩は怒鳴るように叫んだ。

心の底からでた言葉だった。

それは確かに、鳴海に届いていた。

「詩...っ」

何か言いたげな鳴海に最後の声を振り絞り、




「行けよっ

鳴海っ!!」




その言葉に押され、鳴海は詩に背を向け今度こそ走り出していった。

―ナル、柚香さんと...蜜柑を...っ!

遠くなっていく背中を、いろいろな思いを込めて見送った。







―シャーーーッ





式神の、一際大きな竜巻が起きて風紀隊を襲った。

うなるような、式神の風。

その音は、蜜柑たちにも聞こえていて、皆一旦振り向き心配するが、自分達の敵へとまた注意を向けた。

大半の風紀隊は、詩の式神で足止めをくらい、戦闘不能となっていた。

詩もまた、ひざまずいていた。

「ハァッ....ハァッ....ハァッ......」

荒い息。

もう、余力は無い。

体が悲鳴をあげていた。

アリスも.....。

でも、最後まで蜜柑を、鳴海を、柚香さんを見送ってやりたいから。

新たなスタートを、この目にしっかりと焼き付けたいから。

だから、俺は.....

まだここでくたばるわけにはいかないんだ。

「ぐはっ....ゲホッゲホッ....」

吐血した。

口を押さえたため、手に赤黒い血がべっとりとついていた。

それでも、必死な思いで立ち上がって、歩き進める。

心臓も、変な動きをしている。

そのリズムが、カウントダウンのように思えた。

間に合え...っ

間に合え....っ

俺の体!

俺は死なない!

死ぬわけにはいかない!

##NAME1##にもそれを、証明してやんなきゃなんねーんだ!




ドクン、ドク...ン、ドク.....





俺の時間は......____





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